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東建コーポレーションカップ 2001

中嶋常幸が63のベストスコアタイをマーク6年ぶりの復活Vへ、チャージ

7番、418ヤードのパー4。「ここはそんなに難しいホールじゃないけど、油断しちゃいけないんだ」と中嶋。左に見えるバンカー手前までの距離は257ヤード。「普通に当たれば、ここに入っちゃうから」。
ティショットでの打ち分けが要求されるこのホールで、納得のいく球が打てた。
「ドライバーで、きっちりコントロールして、(バンカーに)入らない打ち方ができたんだ。飛ぶ必要のないところで飛ばさない…。うまく打ち分けができるようになったんだと“体感”したね」と、充実感を滲ませる。

スランプに陥って6年。「長かったね」とつぶやいた。
体の衰えと、理想のスウィングとのギャップに悩み続けた年月だった。
プロコーチの井上透さんと出会ったのが2年前。二人三脚のスウィング作りが始まったが、体が井上さんの要求についていかない。
「あのころは、いろんなことを考えながらゴルフをしていて…。特に3年くらい前から昨年の夏くらいまではすごく苦しくて、『もう、だめかな』と思うことも多かったんだ…」。

そんな中嶋に、手を差し伸べてくれる人がいた。
プロゴルファーであり、フィジカルトレーナーの石渡俊彦さんだ。
今オフ、石渡さんの指導のもと、午前中2時間、午後から1時間の、主に柔軟性を鍛えるトレーニングメニューを行った。
「その成果が、出た」という。
「今日はティショットがラフに言ったのは1回だけ。すごく安定してた。柔軟性が増したことが、結局は、パワーにつながっているんだね。スウィングとフィジカルが、両輪としてうまく回るようになった証拠。その結果がこのスコアだってことが、すごく嬉しいよ」

8バーディ、ノーボギーの63は通算5アンダー、2位タイ浮上。首位とは5打差だ。
「今は、みんなすごく強くてうまくて、その中で勝つことはよっぽどいいゴルフをしなくてはいけないから、すごく大変。そう簡単にはいかないだろうけれど…一生懸命やりますよ」。

狙うは、95年フジサンケイクラシック以来の復活V。
“体感”しているその充実感を実らせるするチャンス到来だ。

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