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マンシングウェアオープンKSBカップ 2000

「佐藤さんと力を出し合って、いい試合展開ができたことが嬉しいですね」片山晋呉

「これで全英に行ける―、これが今の正直な気持ちです。 18番で佐藤さんが池に入れたのを見ても、キャディに『刻む?』って聞いたら、『刻んでもボギーが出そうな雰囲気ですよ』っていうから、だったら、近くに行けるだけ行っちゃおう、みたいな感じで打ったんです。だけど…池に入って、今日は最後まで気が抜けませんでしたね。
でも、あれは、ショット的には悪いショットではなかった。たまたま池に入っただけでね。風ですね。思ったより抜けてたんです。セカンドのところは左にマウンドがあって、そこから風が抜けているから、あの風が計算できなかった。佐藤さんのショットも『あれはミスじゃない』って言ってたし、僕もミスじゃない。2人とも(風の)計算ができなかっただけなんですね。残り距離は268ヤード、4番ウッドで打ちました。ぴったりかな、って思って歩き出したら『あ〜・・・!』って・・・。第 3打目は池から打とうかなって迷ったんですけど、打ってもしバンカーにキャリーしたらまた池に入るから、だったらドロップして打ったほうがいいかな、と思ったんです。それに、18番のバンカーは砂があまりないから下が硬いし、ちょっとクラブを入れたらポンと球が出てくれるなって、冷静に判断できた。

佐藤さんとは、ほんとうに今年1年間振り返っても、何本かに入るくらいのベスト試合ができました。佐藤さんも満足していると思う。終わってから、僕が佐藤さんに『楽しかったです』言ったら、佐藤さんのほうも『楽しかった』って言ってくれた。お互い力を出し合ってやった、ということに関しては、ほんとうに気持ちのいい試合でした。

今日はひとつひとつを冷静に判断してやれたのが勝因です。『どうしよう、どうしよう』っていう気持ちじゃなく、すごく、先のことまで考えてやれていた。たとえば、 15番ホールでも、セカンドショットが木にあたったんですけど、あれ、すごい良いショットだったんです。本当なら多分、1ピンかそれくらいに寄るはずだったのに、グリーン左手前に行ってしまって、『あ〜、これは僕は楽には勝たしてもらえないのかな』って思いました。

でも、多分、世界に出て行ったらもっともっと厳しい試練が待っているんだ、と思った。こんなこ とくらい乗り越えていかないと世界では通用しないぞって、そういう気持ちになれたんです。目の前のことを『どうしよう』って思うより、先をみながら、おおらかな、広い気持ちでプレーができた。『なんか、自分ってすごく成長したな』って思いながら、今日は1日ゴルフがやれたと思う。

ただ、昨日の夜はちょっと寝れなくて…優勝と全英オープンのことを思って、興奮していたんですね。何度も目が覚めたりして、結局、3時間くらいしか寝れなかった。朝も、食事が半分くらいしか取れなくて、こんなこと今までで始めてのことでした。優勝したい、全英オープンに行きたいって思っても、楽にはいかないだろうな、とは思ったけどその通りでしたね(笑)。 昨日の夜はいつもと普通に過ごしてホテルに帰ってきて、でも、寝る前に『明日、勝ったら 18番グリーンで何しようかな』って考えはじめたら、寝れなくなっちゃって。
でも目をつぶったら、佐藤さんや深堀さんが18番でガッツポーズしてるのが浮かんでくる。『なんだよ、俺じゃないじゃないか』なんて思ったりして、よけい寝られなくなりました(笑)。
去年は賞金ランク8位に入りましたが、今年は片手(5位以内)には入りたいな、とか、優勝したいな、とかいう目標はあったんですけど、すでに今季2勝目…なんだか信じられないですけど、これから全英オープンに備えて調整して、今の自分がどれだけ世界に通用するのか、見てきたいと思っています」

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