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全日空オープン 2000

前日に引き続き、雨混じりの難コンディション

そんな状況で取った佐藤信人の“風対策”。

 前日3日目は、最大瞬間風速16メートルを越える強風が吹き荒れた。
 最終日のこの日は、前日ほどではなかったにせよ、やはり、雨混じりの風が常に吹いているという難コンディションには違いなかった。

 その中で、佐藤が取った“風対策”は、「大きなショットも、アプローチのちょっと大きめのショットを打つイメージで打つ」ことだった

 強風の中で、ハードヒットすると球は吹き上がって、かえって風の影響を受けてしまう。

 「だから、いつもより1、2番手大きめのクラブで、軽めに打つんです。力を入れないで当てるだけ、という感じ」

 13番パー4の第2打。
 「7番でめいっぱい打てば届く距離でしたけど、ここもやはりひとつ大きい6番アイアンで軽めに…」
 ピンまで5メートルに乗せ、バーディチャンスを作った。

 今季、3勝目。獲得賞金は、1億円を超え依然、堂々のトップ。しかし佐藤は満足しない。
 「僕は風の中のプレーが苦手。だから本当にヒヤヒヤでした。
 今日だって、けっして、優勝できるようなショットができていたわけじゃなかったんです。
 今回も、パットと異様なまでの運だけで勝ちました。
 これからは、もっとこう…すべてにおいて圧倒させられるような勝ち方が、できるようになりたい。そうなるために、もっともっと、努力していかなくてはいけません ―」
 “現在・賞金王”は、さらに上を見つめている。

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