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カシオワールドオープン 1999

「なんか、声援に応えなくっちゃ悪いと思って…」首位タイの田中秀道

 1番パー4は、ティグラウンドからグリーンまでがくっきり見下ろせる、豪快なうち下ろしのホール。
 田中のイーグルは、グリーン回りだけでなく、ティグラウンドに陣取る大勢のギャラリーにも確認できた。
 「出だしにいいスタートを切ると、決まって後でピンチを迎えてバタバタする。だからたとえイーグルでも、はしゃぐことなく冷静に対処しよう」
 いったんは決めた田中だったが、グリーン回りのギャラリーに加え、ティグラウンドから聞こえてくる大歓声が田中を包み、自然と、田中の心にサービス精神が、顔を出した。
 「あまりにもお客さんが盛りあがってくれてるんで、これは何かの形で応えなくては…」と取ったのが、ひざまづいてお祈りのポーズ。
 おどけたしぐさに、ギャラリーのボルテージはさらに上がった。やんやの大歓声だ。
 ハイテンションで、スタートを切った。

 内心は、「出だしのイーグルで、(この先どうなるかと)ビビっていた」という田中。
 だが、不安をよそに、コースに名物の“開聞下ろし”が吹き荒れる中、4つスコアを伸ばして通算9アンダー、首位タイでホールアウトした。 「今週は、インターナショナルツアー3連戦の最終戦。3つの大会の中でいつもこの大会は、結果が出せない。去年は7位に入ってはいるけど、これはたまたまだった。 今年はぜったいに去年を上回りたい。…一番上(優勝)を目指してがんばるつもりです。
 (1年間の連戦の)疲れはあるけれど、それは他の選手も同じこと。このコースは風の読みも難しいし、サバイバルゲームと思ってやります」と、最終日への抱負を語った。

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