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東建コーポレーションカップ 1999

2位タイグループの中嶋常幸

思う通りにスイングが操れる喜びを、こんな言葉で表現した。
「全国地図を搭載した、カーナビを積んでドライブしているような感じだね」。
この日、4バーディ、ノーボギー。1番ロングではピン手前1メートル、3番ミドルでピン右奥5メートル、7番で左3メートルなど、迷いのない正確なショットがピンに、びたびた絡む。
 パットも冴えた。
 12番ミドルでは、グリーンエッジからパターを選び、これを決めてバーディだ。 「ピンチらしいピンチは6番のみ」(中嶋)。
 ティショットがカジュアルウオーターに入ってドロップしたものの、「窪みに入ってよけい悪いライに入っちゃって」。
 8番アイアンで放った球は、クラブがカットめに入ってしまい、グリーンオーバー。 だが、これも、2メートルに寄せてきっちり沈めて、パーで切りぬけた。 こんな光景が、中嶋を発奮させた。
 5番ホールプレー中、隣りの4番ホールで尾崎智春の組とすれ違い、その組の速報ボードは全員アンダーパー。
 「ああ、ツアーは変わったんだ。ほんとうに、新しく生まれ変わったんだ」と、嬉しくてたまらなくなったという。
 「(この日、同組でまわった)杉原さんは62歳。智は、まだ研修生としてツアーに出ている・・『ああ、人材が一新したんだ』って実感したよ」作年のツアーの独立のときには、自ら選手会副会長として、奮闘した身。 目に見える形で、ツアー改革の効果があらわれたことが、中嶋のプレーにますます磨きをかけた。
 「自分も、チャレンジしていくって気持ちを、ずっと忘れずにいたいね」 ツアー開幕第1戦。今年1年を予言するかのような、幸先のよいスタートを切った。  

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