Tournament article

JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品 2025

優しく大きく、猛々しく。暫定ボードに初出場者・川上優大が描くきょうだい競演

大会初日は順延が決定したが、午前スタートの全26組78人は、荒天の前にプレーを終了した。今年も、さっそく伸ばし合いのリーダーボードに、暫定トップで紛れた川上優大(かわかみ・ゆうた)は、大会初出場の32歳だ。




会場の“西那須野”は初ラウンドだったが、お隣の“ホウライ”は今年もQTセカンドの会場となるなど、川上もプレー経験があり、「芝の質感やコースの雰囲気が、とても似ていると感じた。良いイメージがあったので、きょうも気持ちよく回れた」と、系列コースの既視感に加えて、スイング時の悪癖を修正。

「疲れてくると、姿勢が悪くなったり、テイクバックを手であげたり、前傾も上手く取れなくて。おろそかな部分があった」との反省を踏まえて初日を出ると8バーディ、1ボギーの「64」で回れた。

「長いバーディは、10番の8メートルくらい。それ以外は全部ワンピン以内」と、チャンスをことごとく沈めて7アンダー。

「どちらかというと、耐えるゴルフが多いので。正直伸ばし合いは好きではない」と戸惑いつつ、「好きな雰囲気のコースなので。新しい空気感の中で、結果に上手くつながれば」と、選手会主催試合で、プロ11年目の新境地を開拓中。

「僕は、下から上がってきた側なんで。大会を盛り上げる、というよりは、みなさんが盛り上げていただいている中に、勝手に入ってついていく的な…。端っこで、こうやって見ているくらい」と、扉の向こうでこそっと伺う身振りで笑う。

三兄弟の長男で、実は、今季初メンバー入りした7つ下の末弟・猛鳴(たける)も、本大会初出場だ。
「きょう弟はどうだったのか…」。

猛鳴(たける)は、兄とは反対のインコースから出て、2オーバーの73で出遅れ。

「悪くはないんですがちょっとしたことがかみ合わない。明日はなんとか予選通過できるところまで持ち直して、お兄ちゃんに追いつきたいな」と、仰ぎ見る。




2人そろって難読名は、次男の主幹(かずき)さんも加えて、ご両親のこだわりが詰まっている。

お兄ちゃんは「優しく大きな心」で、弟たちの面倒を見、真ん中は「上と下の間でどっしりと幹」になり、末っ子は「猛々しく元気」に。
長男の優大が、「名前どおりな感じになっていると思う」と笑えば、末弟の猛鳴は「お兄ちゃんはパットでリズムを作るけど、僕はパットがあまりうまくないからショットでなんとかチャンスを作って頑張る」と、それぞれの持ち味を駆使して奮闘中。

弟の猛鳴が初メンバー入りを果たした今季、レギュラーツアーとしては今大会が、初のきょうだい出場だ。

「僕が今年からやっと試合に出られるようになったので。いつか最終日最終組で回りたいね、というのはよくお兄ちゃんと話します」(猛鳴)。
初のきょうだい競演が、その契機になるといい。


いつかきょうだい一緒に

関連記事