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リシャール・ミル チャリティトーナメント 2025

地元ゆかりの“丘サーファー” 川上優大のこだわり

初日からさっそく伸ばし合いの波に乗り、川上優大(かわかみ・ゆうた)が7アンダーの「65」。
8人並びの2打差2位と好発進した。



8バーディ、1ボギーの流れの中でも会心は、15番でフォローの風に流され奥に落としてボギーを叩いたあとすぐ、今度は向かい風の2打目を、7アイアンで横3メートルにくっつけ、バーディを奪い返した16番。

「いいバウンスバックができて、自分の中ではきょう一番のバーディ。そこは評価したい」と、満足そうにうなずいた。

プロ11年目の32歳。
昨季のチャレンジトーナメント(現ACNツアー)の賞金ランキングで18位につけ、今季開幕から5試合出場。
直近の「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」では、初日に2位タイ発進した(結果30位タイ)。

「前半戦は、チャンスについた時の決定力がなかったので。それを含めてイメージを変えてみたら、結果に繋がってきている感じ。間違えてないのかな」と、じわじわと手ごたえを感じている。

東京都の出身だが、お母さんが石川県の加賀市生まれで、いまはおばあさんが同市に住んでいる。
「だから第二の故郷みたいなイメージなんです」。

昨元日の能登半島地震はおばあちゃんを思って気を揉んだ。
「凄い揺れたみたいですけど。大きな被害は免れました」と、心底安堵した。

「大変な思いをされた方がたくさんおられると思いますけど今週は、僕らのプレーを観に来てもらって、少しでも元気を出してくれればいいな」。
ゆかりの選手として、祈る思いでコースに立つ。

今週は、早めに都内を出て、日曜からおばあちゃんちで2泊3日を過ごしてからコースに来た。
5月のACNツアー「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP CHALLENGE in FUKUI」の会場の越前カントリークラブ(福井県あわら市)は県境に位置し、おばあちゃんちからたった20分。

今季初メンバー入りした7つ下の末弟・猛鳴(たける)と一緒に寝泊まりしながら、V争い。「3日目の途中まで上位にいたけど失速し(結果17位)“何やってんだ”と(おばあちゃんに)叱られた。今回はそういうことのないように」と、肝に銘じる。

猛暑が続く今夏、おろせば顎まで届く長髪を、今週ばっさり切ってきたのは、契約ウェアのサーフブランド「GOTCHAGOLF (ガッチャゴルフ)」のさわやかなイメージに合わせてのこと。
こんがり焼けた肌と引き締まった痩身は、プロゴルファーというよりサーファーによく間違われるが、5歳のとき石川県の海でおぼれかけたトラウマから「海が怖い。丘サーファーです」と苦笑。

でも、盛夏の試合で本戦時に認められている短パンを着用しないのは、「なんか締まらない気がして。これが僕の戦闘服」。
どんなに酷暑もガンとして長パンツで通すのは、プロゴルファーとして、譲れないこだわりでもある。

「海は苦手ですけど見るのは好き。きょうはこれから時間があるので、能登の先のほうまで探索してみようかな?」。
好発進後に走らす「千里浜なぎさドライブウェイ※」は、きっと最高に気持ちがいい。

※千里浜(ちりはま)なぎさドライブウェイ=石川県羽咋郡宝達志水町の今浜から同・千里浜町まで約8キロの砂浜を自動車で走ることができる人気の観光道路。

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