もちろん、無類のカープファン!
なんとか、対戦試合を引き当てられるといいのだが。
Round4
8:00 霜の為、スタート時刻を20分遅延(8:30→8:50)
PGA選手の金谷拓実(かなや・たくみ)がスポット参戦の今季2戦目を、通算8勝目で飾った。名物の17番で果敢に林越えに挑み、2オン2パットで追いつくと、石川遼とのプレーオフを2ホール目のパーセーブで決着した。
勝因は、普通なら折れても不思議のない窮地を何度でも跳ねつける力。
2打差の2位から出て2番で130ヤードの2打目が木になり、ロストボールで打ち直して4オン2パット。
ダブルボギーで混戦に埋もれたが、次の3番ではホールインワンかと見まがうお先にバーディ。4番では4メートルを決め、5番で2オン2パット。6番ではラフから3Uで7メートルに乗せたバーディトライも決まった。
4連続バーディで、1差のトップに抜け出したが試練はこれで終わりではなかった。
右ラフに落とした8番パー3で、寄せられず、決められずで、またダブルボギーを叩いた。
でもやっぱりまたへこたれず、すぐ2オン2パットの9番パー5で首位に並び直してみせたのだった。
先週のPGAツアー秋季シリーズの初戦から急いで戻ってきた今季国内2戦目ではエースキャディのライオネルさんにつかの間のお休みをあげた。
かわりにバッグを運んでもらったのが、姉妹コースの由仁(ゆに)で10年、ここ輪厚(わっつ)で5年になるハウスキャディの蓮見優美さん。
ゴリゴリのプロキャディとはまた雰囲気が違って「飼い犬の話をしたり、北海道グルメで盛り上がったり、ずっと世間バナシをしてました」と、朗らかに笑う蓮見さんにとっては“プレーオフ”はもちろん、“最終日最終組”をサポートするのも人生初体験。
「もちろん緊張はしましたけど。私が緊張してても仕方ないわ、とw。頑張れ、って応援しながら…」(蓮見さん)。
いつもはコースに出ると、途端に表情を鋭くする金谷が、スタート直前の地元キッズとの入場式で腰をかがめて優しい笑顔を見せ、ボールが木に乗った2番のトラブルさえ穏やかに対応した。
「普段は気持ちのコントロールが上手くできない。でも、蓮見さんは良い時も、悪いときも、プレーオフでも変わらず支えてくれた。心が洗われたというか、平常心でやれたのは蓮見さんのおかげ。ほんと“さまさま”です」と、感謝。
「今回の状況はすごく勉強になったので。アメリカに帰っても、活かせるのではないか」。蓮見さんが再渡米のお土産をくれた。

夜中2時に集合し、一丸で大雨からの復旧にあたってくれた輪厚のキーパーさんたちにも大感謝。
「選手はみんな最終日にプレーができないんじゃないかと心配していましたが、コースの方々のおかげでいい戦いができ、優勝までできました。本当にありがとうございました」。
“チーム輪厚”がもたらした感動の優勝劇だった。
このあとまたすぐ渡米し、出場権の確保に奔走する。寸分の狂いが致命傷となるPGAツアーでは、神経をすり減らす日々が続く。
「特にアイアンショットの精度が劣る」と、がむしゃらだ。
「難しい環境に身をおいて、より一層努力をするようになったし、よりゴルフに向き合うようになりました。頑張り続けることで、またステップを踏むことができるんじゃないか」。
V賞金2000万円や、ANA国際線のペア航空券のほかに、多忙の合間にまた来年も帰ってきたくなる、とっておきのV副賞も得た。
北海道日本ハムファイターズの本拠地「エスコンフィールド」での始球式権の対象試合は、金谷のスケジュールを考慮しながら選考される見込みで「キャッチボールしておきます!」と、ウキウキだ。
