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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2025

金子23位、大岩26位⇒蟬川10位「奇跡が起きて欲しいです」勝って逆転キングのチャンスを切望

賞金王の可能性がある3人での直接対決は、明暗が分かれた。




賞金1位の金子駆大(かねこ・こうた)は、3バーディ、3ボギー、1ダブルボギーの「72」。
2オーバーは、23位タイと出遅れた。

賞金4位の大岩龍一(おおいわ・りゅういち)もまた、2バーディ、7ボギーの5オーバー「75」は26位タイと、厳しい滑り出しとなった。

その中で、賞金3位の蟬川泰果(せみかわ・たいが)が気を吐いた。

1アンダーの10位タイで初日を出た。

この日奪った5バーディ(4ボギー)のほかにも、カップに蹴られたパットが5回も。
それでも「一喜一憂しない」と、踏みとどまれたのは、スタート直前に、大ベテランから受けた助言のおかげだ。

先週の「カシオワールドオープン」で第一線から引くことを決断した谷口徹(たにぐち・とおる)がこの日、改めての挨拶回りでわざわざ大阪から駆け付けていた。

02、07年の歴代賞金王で、ツアー通算20勝を誇る大ベテランだ。

「僕が持っていないものをたくさん持っている方」。
ティオフのわずか20分前に、パッティンググリーンで姿を見つけて当時の心境など聞いてみた。

「曲がってもちゃんとボギーにできるマネジメントだったり、狙った方向に打つことに集中したほうがいいんじゃないのかな」と、言われてハッとした。

思い当たるのは先月の三井住友VISA太平洋マスターズだ。
「調子は悪くないのにいい結果で終われなかった(30位タイ)時に、すごい気持ちのアップダウンを感じた」。

平常心で向き合う重要性を再認識できた。

逆転の初賞金王には、とにかく自分が勝つしかない。

しびれる展開は、中島、金谷と賞金レースを繰り広げた23年にも経験済みだ。
当時、本大会ではすでに、中島啓太(なかじま・けいた)の戴冠は決定していたものの、「2年前にも金谷選手と中島選手とプレーして、年々慣れてくると言うか、経験値もあって、あまり緊張しなくなった」と、本大会で史上最年少Vを達成した経験は、今回も何よりものを言うはずだ。

もっとも、賞金1位の金子が断然、有利であることは変わりない。

まだ初日とはいえ、首位の宋永漢(ソン・ヨンハン)とは6打差。

優勝しか逆転チャンスがない自身の現状を鑑み、「きついです。自分でショットがビタビタ行ってたり、パットが入っていたりしたら、行けるかなと思うものの、6打差というのはなかなか簡単じゃないんじゃないかな。奇跡が起きて欲しいです」。

切実な思いがこぼれた。


スタート前の開会セレモニーにて金子(左)と大岩(右)と。3人とも笑って終えられればいいのだが…

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