Tournament article

BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 2023

中島啓太は暫定3位で2Rを完走「週末はリキさんの分も」先週の雪辱戦も

中断のフォンが鳴ったのは、中島啓太(なかじま・けいた)が競技を終えてスコアカードを提出し、クラブハウスで濡れた体をざっとタオルで拭き終えたころ。



朝から降り続いた雨は、小やみになる間もなく、最後の18番も土砂降りだった。


この日のうちに終われて良かった、という気持ちが半分。

「もしかしたら、明日プレーしたほうが、天気も回復していて良い条件だったかもしれない」と、よぎる思いも半分。

でも、「たくさん雨が降ったので、濡れたグローブとグリップで、ティショット打つのもかなり神経使いました」とこの日、交換したゴルフ手袋は実に5枚。

「どうしてもラフに行ってしまうので、そこからどうやったらパーを拾えるかとか頭の中もいっぱいいっぱい。その中で、1アンダーで終われたのは誇りに思っていいと思います」。

9番のボギーひとつと2バーディで回りきった難条件下の「70」を噛みしめた。


この予選ラウンド2日間は、日体大先輩で、お互い「大好き」と言い合うほど仲良しの河本力(かわもと・りき)と同組。

2人の夕食は、いつも焼き肉三昧だが「今週は、ホテルが近くないのであんまり行っていなくて・・・2回かな?」と、しれっと言ってから、自ら吹き出した。


結局、ほぼ一緒の計算である。


コースでも、いつもクールな中島が、この2日間はいつになくリラックスした笑顔を見せたのも、隣に河本の存在があったから。



でも「リキさんは、最近、少しゴルフで悩んでいると言っていました」というように、この日の河本は、3つもダブルボギーを打つなど「79」。

通算8オーバーで、決勝ラウンドには厳しい位置で最終ホールを迎えたが、最後まで諦めるそぶりもなくバーディパットのラインを真剣に読み、中島の入りかけのバーディトライに「入れ!」と大きな声を出し、通算5アンダーの暫定3位で回り終えた中島に笑顔で「グッドラック!」。

そういうところも含めて改めて、大好きな1個上の先輩。


先週は中島が、同い年の平田憲聖(ひらた・けんせい)に破れた「ミズノオープン」も、プレーオフを戦った18番ホールに駆けつけ、声援を送り続けてくれた。

「リキさんの分も、週末は頑張りたい」と、改めて日本タイトル戦でのプロ初Vに気合いが入った。