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関西オープンゴルフ選手権競技 2021

2位返上に挑む上井邦裕。8度目の最終日最終組も「楽しんで」

今週はやることでいっぱい©JGTOimages
シード復活と、悲願の初優勝がかかる。
プロ16年目の上井邦裕(かみい・くにひろ)が、3日目を終えてチャン・キムと星野陸也と並んで、自身3年ぶり8度目の最終日最終組に挑む。

初めて単独首位で、最終日を迎えた2010年の「VanaH杯KBCオーガスタ」では8番で、同週2度のホールインワンを達成。
ギネス記録に載りながら、5位に敗れた。

当時はスタート時から、ガチガチだった。
「昔は、考えすぎないように、とか。色々考えてやっていました」。
あれから10年余。
38歳の今は「自分のやるべきこと、取り組んでいることを優先し、楽しんでプレーしている」。

特に今週は、ゴルフ以外に”やるべきこと”が盛りだくさんだ。
感染防止の観点から、先週に続いてハウスキャディさんの用意がない。
「それを忘れていて…」。
きゅうきょ、大会で用意されていた電動アシストカートをレンタル。昨年のエキシビション大会で使ったことはあるが、試合では初めてだ。

風の読みや、グリーンのライン読みはもちろん、バンカーならしや、ボールを拭いたり。こまごまとした仕事のほかにも、悩ましいのは、「歩く距離が増えること。一直線には歩けないので」。
ボール地点に歩くまで、傾斜地やハザードをよけてぐるっと迂回したり、「途中、めんどくさくなって、あ〜しんどいな、とか」。
午後から気温の上昇と共に、体力の消耗を余計に感じて疲れも出たが「ときどき、他のキャディさんが手伝ってくれたり。ありがたかった」とお礼を言うのも忘れずに、V争いの重圧を感じる暇もない。

それとこの日は、同組のベテランプロのお相手も。
53歳の谷口徹が、ティショットで上井に勝った負けたとにぎやかで、特に10番ホールは「かなり転がりましたよね」と、ひとこと言いたいところをぐっと我慢。
「やっぱり、負けを認めないとね」と大人の対応で、素直に降参。
「先輩はたてとかないと」と、そちらでも程よく気が紛れて肩の力を抜くことができた。

17年の「RIZAP KBCオーガスタ」や、18年には「中日クラウンズ」と、本大会でも2位。
特に住まいのある愛知・名古屋での「中日クラウンズ」は悔しかったが「あの頃と今とは違う」と、言った。
「今は楽しんでゴルフができている。明日もこの気持ちを忘れずにプレーします」。
シルバーコレクターの返上なるか。

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