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フジサンケイクラシック 2020

37歳の新顔、永松宏之が通算6アンダー

©JGTOimages
ソーシャルディスタンスの囲み取材で人懐こく第一声だ。
「誰か分かんない人で、スミマセンっ」。
すっかりベテランの風情だが、この再開初戦でやっと、自身の13試合目。
37歳の新顔。
永松宏之(ながまつひろゆき)は「初日同様、今日も100点のゴルフができた」。

前日の「69」から、この日はさらに4つ伸ばして通算6アンダー。
ボギーは3パットをした4番(パー3)だけ。
7番ではチップイン。5つのバーディで、午前組終了時点で単独首位に躍り出た。

昨季のQT55位と、本来なら今大会の出場権利も微妙な位置だが、「自粛期間中もしっかり練習して、温めてきましたよ」。
巡り巡ったチャンスを最大限に生かした。

年齢の割にキャリアが浅いのは、プロ入りが28歳と遅かったから。
地元大分県の安岐小学校3年生から、野球一筋。
高校3年の夏、同学年の内川聖一さんが率いる大分工業高校に、県大会で敗れて出場こそ叶わなかったが、3度の甲子園歴がある鶴崎工業で、捕手として活躍した。

ゴルフに目覚めたのは、九州産業大3年時だった。
全米オープンで4位タイ入った丸山茂樹を見て開眼。
「プロゴルファーになる」と父に告げ、まずは野球部でのレギュラー入りで「ダメ部員返上」を条件に、許しを得た。

卒業後に千葉県のゴルフ場で研修生となり、約7年後の2013年にプロ入り。
8年目の今季、3年ぶりにレギュラーツアーの出場権を手にした。

憧れの”生マルちゃん”を初めて見たのは2017年時。
「すぐそばにいらしたけど神々しくて。軽々しく話しかけられなかった。丸山さんは、僕にとって雲の上の存在」。
そっと、見つめるだけで、自己紹介もできなかった。
「僕のアイドル。そこにいらしてくれるだけでいい」と、今はただ、あがめるだけ。
「目標は、長くシードを獲れる選手」。
まずはレギュラー昇格で、存在感をアピールしたい。

絶好の位置で、自身5度目の予選通過を決めたら「決勝ラウンドでは、1円も無駄にしない」と虎視眈々。
「試合をやってくださることに凄く感謝して、こういう時代なので一試合一試合を大事に、楽しく明るく」。
野球部時代は「7番で、泳がされても1,2塁間にチンとやるタイプ。曲者と言われた」。
ゴルフでも堅実に点を取る。

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