ZOZO CHAMPIONSHIP 2019

表彰式で再びのタイガー・コール。主催者の熱意に打たれて再戦を約束したウッズ

また来年!
日本初開催の米ツアーは記念すべき初回から、思いもよらない展開となった。2日目が、豪雨災害のため中止。翌日に順延された第2ラウンドは、安全第一での無観客試合となった。
ウッズが初日から首位を走るスリリングな展開も、前売りチケットの売り上げ状況から計算すると、2日合わせて4万人が見損ねたことになる。

第3、4ラウンドの36ホールを実施した27日日曜日には、男子ツアーとしては、20年ぶりに2万人を超えるギャラリーを集めて盛り上がった。
しかし、28日の月曜日まで持ち越された最終ラウンドでは、運営面など考慮して、また入場数を制限するしかなく、偉業の82勝を決めたウッズのVシーンも、この日のギャラリー2563人の目に触れるにとどまった。

主催のZOZO創業者で開催の日本誘致に尽力した大会名誉会長の前澤友作氏は「本当に申し訳ありません」と、28日月曜日に引き伸ばされた表彰式で、自然災害による変則開催を、改めて詫びた。

千葉県出身。「台風の被害にあったばかりなのに、残酷にも今週はまた、大雨に見舞われました」と、誰よりも地元の被害に胸を痛める前澤氏。
「全国で苦しんでいる方々の何か光になればいい。ゴルフファンのみなさまが幸せに、笑顔になっていただける大会を」と祈り続けた1週間の締めくくりは役者の揃い踏みで、前澤氏にとってもこの上ないハッピーエンドとなった。

「波乱万丈でスタートした大会でしたけど、最後はやっぱりこの人がやってくれました」。
日本で、82勝の偉業を達成したウッズ。
「そして最後まで死闘をくりひろげてくださった、松山英樹選手。また3位には、マキロイ選手(世界ランク2位)と、まるで漫画に描いたような展開。初回からこんなに盛り上がっていいのか、と」。
前澤氏にも感無量の結末だ。

ウッズの偉業に励まされた前澤氏は「今年、大雨のため来られなかった方々のためにも来年は、必ず成功させなければいけない」と、前を向く。
「そして、その際には来年もまた、ウッズ選手に来て欲しいなと思っているんですが…」と、かたわらの勝者に熱視線を送り、「みなさん、ここでもう一度、タイガーコールをしませんか?」。

主催者の粋なはからいで、再び18番グリーンに沸き起こったタイガーコール。照れくさそうに、軽く手を挙げ応えたウッズは「また来年、ここに来ることを、楽しみにしているよ」。
前澤氏の尽きせぬゴルフ愛と、熱意に打たれて連覇をかけた再戦を約束した。

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