ZOZO CHAMPIONSHIP 2019

無観客試合で聞こえたタイガーコールに発奮。単独首位のウッズは「明日はいつもの声援を楽しみにしている」

偉業にまた一歩、近づいた。豪雨災害の影響で延期されていた第2ラウンドでウッズが64を出して、単独首位に立った。

スタートの1番で奥1メートルにつけて、バーディで出たがすぐ2番でパーオンに失敗。1メートルのパーパットを外してボギーとした。
一進一退の展開で、思いがけない歓声を聞いた。
3番ホールを終えたところで、「タイガー! タイガー!」。
安全を考慮して、この日はギャラリーの入場を不可とした無観客試合。
だが、知らずにコースにきたギャラリーや、諦めきれずに駆け付けた100人余りのファンが、コース外の道でフェンス越しに、熱烈なタイガーコールを送っていたのだ。
「今日はいないと思っていたので、びっくりしましたよ」と、驚きながら、笑顔で手を振り歓声に応えた。

先の台風に続いてまた、このたびの豪雨災害では犠牲者を出した。「今回も影響が大きかったと思います。とにかくみなさん、無事でいて欲しい」と心を寄せながら、ファンの期待に応えたスーパースター。

次の4番から立て続けに「いいパットを拾えた」。
6番では、林の中から出しただけの2打目をまたラフへ入れたが、そこからパーを拾うと、7番では8メートルを沈めてバーディを奪った。

前半を1アンダーで折り返すと、5メートルのチャンスを沈めた11番では連続バーディ。
13番で3メートルのチャンスも決め、17番ではピンそばのバーディから最後の18番パー5も、2オン2パットで再び連続バーディ締め。通算12アンダーで、1打差のトップに立った。

8月に5度目の膝の手術から、復帰初戦を13年ぶりの日本の試合で迎えた。「こういうときは、時間がかかるもので、いいスコアで回れたことにはびっくりしている。アイアンショットの調子がいい」。
13年前は、飛距離とパワーでねじ伏せた元世界王者は44歳で戻った日本で、ラフに入れても正確なアイアンショットでチャンスにつけて、パターを沈める。13年前とはまた違ったゴルフで、偉業に挑む。

メジャー15勝目を飾った4月のマスターズで通算81勝を飾った。サム・スニードが持つ、最多勝利数の82まであと一つと迫った。
「明日も勝つためにプレーします。今日の声援は外からだったが、明日はいつもの声援を楽しみにしている」。
3日ぶりに再び大ギャラリーが詰めかける27日日曜日は、6時30分から第3ラウンドをスタート。続いて、日没ぎりぎりまで最終ラウンドを回る。
ベテランのウッズにも過酷な36ホールとなるが、それでも日本で最初に行われる米ツアーで、ウッズが新たな歴史を刻もうとしている。

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