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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2019

石川遼がかすれ声の猛チャージ

今大会を含む今季残り2戦の連勝で、大逆転の賞金王を狙う。賞金5位の石川遼は、後半11番のダブルボギーで一時、後退しながら上りの4連続バーディで、首位と5打差の通算10アンダーの7位タイ。
最終日に、希望を残した。

大会2日目から風邪の症状を発症して、その日はやむなく、取材をキャンセル。2日ぶりに質疑に応じた石川は、「日に日に、悪くなっているみたいな感じですけど見てのとおり、プレーに支障はありませんし、何の言い訳にもなりません」と、かすれた声でこの日のスコアと風邪との相関関係を否定。

11番のパー3はバンカーからの2打目を、土手にぶつけて脱出に失敗。もう一度バンカーから打ってもグリーンに乗らず、4オン2パット。
通算6アンダーまで落としたが、15番からふいに起死回生の遼チャージで魅了。

15番で3メートルをキメると16番では今年から、新設された前ティで向かい風も構わず、迷いなく1Wを振りぬく期待どおりのワンオンチャレンジ。ピン13メートルにみごと乗っけた。イーグルトライのバーディで、会場を沸かせた。
17番では128ヤードの2打目を、ウェッジでピンに絡めると最後のパー5も巧みに寄せて、ダボからの4連続締め。

「ダボを打ったことでリミッターが外れるというか、よりブレーキを、かけなくなる。行くしかない感覚にさせてくれる」とハスキーボイスでスリリングなプレーを生んだ、後半9ホールのからくりを明かした。

今大会は09年と15年、17年と3度の2位。13年に大会主催のカシオ計算機と所属契約を交わしてからは、よけいに大会初制覇の思いは増したが優勝はまだ。

「勝てるか、勝てないというところまではもう少しかな、と思うのですが、今日の上りができて、明日はギリギリ分からないところで終われた。今日やったことを、明日もっと上位で試したい」。

ホールアウト後の練習場で、石川の姿を探す親子がいたが、スタッフにすでに帰ったことを告げられ残念そうだった。
前日に続いてプレー後の練習を控えたのは、最終日の”逆転・ホストV”を胸に期して大事を取ったため。
「遼くんにサインをもらえなかった」と悔しがっていた地元キッズ。
ぜひ、最終日も遼さんの雄姿を見に来て…!

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