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レオパレス21ミャンマーオープン 2018

最終日に川村昌弘が貫いたプロ哲学

通算9アンダーで迎えた18番は「刻んでパーを取ったら来週、出られると分かっていた」。小平はいくら頑張っても権利が発生しないが川村は、アジアンツアーのメンバー登録をしてある。規定により5位内に入れば次の「メイバンク選手権」の出場権が得られる。
分かっていて川村は、池越えの2オン狙いを選んだ。
「刻めば来週は出られるが、優勝はない。あとから後悔しないという方を選んだ」。

それでも、グリーンに届く目算は低かった。
「アングル的にも風的にも、ライも良くなかった。大きなスライスを打たなければいけない状況だったが上手く打てればイーグルにつく可能性もある。そうなれば、まだ相手も分からない」。
そうなれば、目の前のピーターソンにも揺さぶりをかけられる。

どんなに可能性は少なくても、それをみすみす捨てる選択を、川村はよしとしなかった。
結局、ボールは池に沈んだが、川村は淡々としていた。
順位も8位タイに沈んで、次週の出場チャンスも消えたが「刻んで順位を守っても、しょうがない。最後まで、ナイストライが出来たのは良かった」と、下した選択に後悔は1ミリもない。
「残念でしたけど、楽しかった。それなりに緊張もしましたし、面白かった」と、充実感すら漂わせた。

自力の出場権を逃しても、ここミャンマーから次の会場のマレーシアに飛ぶのは、当初の予定どおりだ。
はじめから、出られる保証はなくても現地に入り、欠場者が出るのを待って、繰り上げ出場を狙うつもりだった。

たとえ旅が骨折り損に終わっても、やっぱり後悔しない。
「安全に刻んで来週出られたとしても、つまんない。刻んで出られたとしても、きっと(成績は)良くないですよ」。
若き旅人ゴルファーのプロ哲学は、どこにいたってぶれない。

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