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三井住友VISA太平洋マスターズ 2018

秋吉翔太は「賞金王という夢を」

松山英樹が監修に加わった御殿場。改修後、難易度を増したコースも「僕は前のを知らないから良かった」。
昨年は、繰り上がりの優先リストの1番目で会場入りして出番を待ったが結局、出場は実現しなかった。
「去年、練ランはしましたけどあまりコースは覚えていない」。
パー5から、パー4に変更された6番も11番も、「そういうものだと思って回れた」。
パー72からパー70に変わったタフなコースで余分な先入観を持たずに、64を出した。

新生コースを怖い物知らずで攻めた。
後半の3番は565ヤードのパー5で「2オンを狙いに行った。結構厚い当たりをした」と、13メートルに乗せた。
先に同組の木下裕太が「70ヤードくらいから入れて。穴をふさがれたと思いましたが、入れ返した」と、長いイーグルトライを奪った。

8番は、グリーン左の土手に落とした2打目を、5Iでごろごろ転がし上げてカップインバーディ。
今年、初出場を果たした全英オープンで、川村昌弘から習ったという究極の“ランニングアプローチ”で6アンダーまで伸ばした。

今季は初優勝からあっという間に2勝を飾り、いっぺんに2つのメジャー舞台も踏んだ。賞金ランクも一時2位につけたが今や12位まで落ちてしまった。
「どうなんだ、最近」と、青木功に聞かれて「ダメですね」と、苦笑いで応えたのは先週の日曜日だ。
沖縄からの帰り、那覇空港から同じ便に乗り合わせた。
「席は違ったけど、飛行機を降りて、荷物のとこまで一緒に歩いた」。
ほんの短い時間で青木は、今の秋吉の不調の要因を言い当てた。
「ちょっと振り過ぎているんじゃないか? もう少し、コンパクトにしてみたらどうか」。
今週、さっそく取り入れた。
「少し、短めにクラブを握って意識をしてみたら青木さんの言ったとおり。いい感じです、と」。
前日水曜日のプロアマ日に礼を言ったら、「そうだろう?」と、エビス顔だった。
初日から、レジェンドの会長に成績で報いた。

富士の麓で、大逆転賞金王への思いを語った。
この日のリーダーとして、上がったお立ち台。今週のヒーローインタビューは、富士山をバックに豪華ステージで、「周吾とだいぶ差はあるけどこれから賞金が高いので1勝、2勝・・・」。
「3勝!!」。
大勢の聴衆から上がった合いの手に笑顔で頷き、「これからまだまだ頑張って、賞金王という夢を追いたい」。
昔から大好きというオレンジ色のウェアが御殿場の紅葉に溶け込む。
実りの秋。まだまだチャンスは残っている。

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