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中日クラウンズ 2017

先週覇者! 久保谷健一の生きる道

もう20年も前のことになる。ジェットに言われた。「勝って次の試合こそ大事だ、と」。ゴルフ界が誇る、尾崎家の次男の健夫の金言である。

折しも、1997年のフジサンケイクラシックでツアー初優勝を飾ったばかりの時であった。
まさにその翌週の日本プロでは見事に予選落ちを喫して、ジェットの言をなおさら深く胸に刻み、そのあとの5勝直後の試合では、まだ一度も予選落ちをしていないのが、45歳のひそかなプライド。

パナソニックオープンで、ツアー通算7勝目を飾った日の翌月曜日は、後輩の薗田峻輔も参加した、母校の明治大学ゴルフ部の祝勝会で現役学生や・錚々たるOB陣の前で大演説をぶった。

「プロゴルファーとは、アマチュアが出来ないような技をするとか、バーディをたくさん獲るとか、その人によって観念は違うと思うが僕は、アマチュアの方よりボギーを打つ回数が少ないのがプロゴルファーだと思っている」。

今年は、2012年の日本オープンで得た5年の複数年シードの最終年を迎えてしかも、ここ3年間は、賞金シードから漏れていた久保谷がより強く意識していたことでもあった。

「おかげさまで初戦(東建ホームメイトカップ)もそれを考えてやって、ショットは良くないけど、なんとかパーを拾い続けて5年ぶりか何かで(国内)開幕戦で予選を通った。
今年は何か違う、やれるんじゃないか、と思って迎えた先週の2戦目だった」。

しかも、今年は国内開幕から計8ラウンドに限っては、まだ一度もオーバーパーを叩いていないことも、先週覇者の静かな誇りである。
「今までのゴルフなら、必ずどっかでやらかすのが それに徹底することによって、まだオーバーパーしてない。これからもボギーを打たないゴルフに徹して、この先もなんとか毎試合、必死で予選を通りながらやっていくと思います」。
和合でも、45歳なりの生き残り術を駆使して先週覇者の目標は、まずは謙虚に決勝進出が目標だ。

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