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トップ杯東海クラシック 2017

2打差の5位につけた片山晋呉は「好きな人に、好きって言えるくらい・・・」

3日目にして三好の神様が、またほんの少し微笑んでくれたような気がした。
長尺パターで最後のバーディトライを沈めて、秋晴れの青空に向かって大きく手を挙げた。
「予定通り」と声を張った。首位と2打差の5位につけて「三好では、追いかけるくらいがちょうどいい」とうなずいた。

「ホームコース」を自認する。「相性がいい。好きだね。好きな人に、好きって言えるくらいに好き」と、そんな三好と「1回、両思いになれた」と、再三のV争いでやっと三好を制したのは2013年。

「ここは、なかなか何回も勝っている人はいない」。
48回という長い歴史の中でも、複数回優勝を飾っているのは、73年と77年を制したジャンボ尾崎と、76年と89年の青木功と、85年と90年のグラハム・マーシュと、98年と01年の伊澤利光と、そして81年と83年、86年と3度勝った倉本昌弘の5人だけ。

片山は、まだ1勝でも相性の良さはその中でも群を抜いている。

97年の初出場から、予選落ちゼロ。トップ10入りは、99年から11年連続を含むこと14回。
19度の出場で、稼いだ賞金は1億794万6920円。

その分、痛い目にもさんざんあってきた。
18番のフェアウェイ真ん中にそびえる籾の木に、ボールが引っかかって、ロストボールのダボを打ち、2位に終わったのは02年。
12年には台風襲来による無観客試合のプレーオフで、リューに敗れた。
一昨年は、ヒョンソンにプレーオフでまた負けた。
「ゴルフは人生と一緒。色々ありますよ」と、歌うように言った。

辛苦をなめ尽くした男が言った。
「三好では、ほんとに最後の最後に神様が振り向いてくれた人が勝つ」。
さまざまなドラマを紡ぎ続けて、今年もまた愛する三好で大会2勝目を狙える場所にいる。

「勝ったら最高ですがこういう位置で、44歳でやれていることが楽しいし、幸せ」。
今季は「ISPSハンダマッチプレー」で劇的な31勝目を挙げたばかりだ。
ひと月とおかずに次の32勝目なら、尾崎直道と並んで歴代4位の通算勝利数となる。

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