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日本オープンゴルフ選手権 2016

リョウとヒデキを連れてきた! アダム・スコットがコース入り

3度目の正直に挑む。アダムが再び日本一決定戦の舞台に乗り込んできた。今度こそ、勝ちに来た。
勝ちに来ながら、若い2人の活躍も期待した。

昨年もやはり、開催週の火曜日に応じた記者会見で「来年は、リョウとヒデキを連れてくる」と約束した。
石川遼と松山英樹はアダムが初出場した昨年も、一昨年もいなかった。
ゴルファー日本一を決める大会で、日本を代表する2人のスターが出ていないのは良くないのではないか・・・。

「もちろん、彼らには彼らのスケジュールがある」。
今年も、2人が主戦場にする米ツアーの16-17年の開幕戦と日程が重なる。自身もそこでトップに君臨するものとしてそれを重々、考慮した上で、それでもアダムは実際に2人に話を持ちかけた。

「去年、メディアのみなさんの前でも約束した手前、本人たちに話さないと失礼にあたると思ったし」と、相変わらずマジメで律儀なアダム。
そして、“貢献度”も抜群だ。
「今年2人は素晴らしい決断をした」と、揃って出場を決意した2人に大満足だ。
「日本のゴルフ界にとっても、そして彼らにとってもこれは重要な決断だと思いますし、もし彼らのどちらかが優勝したとしたら、とても誇らしい瞬間になるでしょう」。

自身も昨年7位のリベンジを目論む今年は、予選2日間でその石川と松山との同組対決。
「仲の良い友人たちと同じ組でとても楽しみ。2人は日本のトップスターなので多くのお客さんが見に来ると思いますし、大きなステージで彼らとプレーできることに興奮している」と、24歳と25歳に挟まれて、36歳が胸躍らせる。

米は15-16年のシーズンを終えてから、この2週間はたっぷり休養を取った。
「プレーオフシリーズは非常にタフな戦いが続いたので、最初の週はまるまる休んだ」。さらに翌週は、ヨーロッパで家族サービスにいそしんだ一女のパパ。
9日日曜日に来日して、まだ時差ボケの残る体でこの日11日火曜日に初めて会場に来て、プロアマ戦でコースを回った。

昨年、一昨年は攻略に苦しんだというが、今年の狭山ゴルフ・クラブ(埼玉県)はどちらかというと「米ツアー寄り」といい「今年は一度の練習ラウンドで、自分に馴染んだ感じがする」と、会場入りするなりあっという間に手応えを掴んだようだ。

相変わらず狭いフェアウェイ、深いラフには警戒心を示しつつ、「10アンダーを出せれば優勝が近くなる」とまずは無難にスコア予測をする一方で、「もしかしたら、20アンダーくらい出す選手も出てくるかもしれない」。
毎年、難条件が通例のナショナルオープンで大胆に、大量アンダーの可能性も示唆した。

7位賞金のすべてを日本のジュニア育成団体に寄付した昨年大会は、優勝争いの末にローアマに輝いた金谷拓実(かなやたくみ)さん(当時広島国際学院高2年)の活躍にも、目を細めた。
「若いうちに大きな夢を持つのはとても大事なこと」と、今年もまたプロアマ戦のこの日はその表彰式後に、将来有望なジュニアを集めて「フューチャー・ゴルファーズ・セミナー」を開催。
ナショナルチームで活躍する約40人に向けて、熱いメッセージを贈った。副題に“アダム・スコットプレゼンツ”と冠したこのイベントには、松山もサプライズで参加して、こちらもまたアダムを喜ばせた。

日本の若きヒーローも巻き込んで今年も、早々からあちこちで旋風を巻き起こしている。今年のゴルファー日本一決定戦もまたこのトップランカーを中心に熱いドラマが生まれそうだ。

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