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seven dreamers challenge in Yonehara GC 2015

ツアーでの経験が秋吉翔太のゴルフを大きく成長させている

プレーオフを決めるイーグルパットが、カップに吸い込まれた瞬間、18番ホールのグリーンサイドは大きな歓声が沸き、秋吉は自然と右腕を突き上げていた。
“自分でも、正直何が起こったのか分からなかったですし、緊張する前に試合が終わってしまった感じです”と、試合直後、素直な気持ちを口にした。

この優勝が決まるまで、この2日間は長い道のりであった。昨日の中断は、17番ホールのバーディパットを残してのサスペンデッド。この時点で、秋吉翔太は3アンダーとしており、ホールアウトした選手の中で、暫定でのトップが4アンダーであったことは十分頭にあった。
ひと晩という時間は本人にとっても長かった。その間 “とりあえず4までは伸ばさないと…”という気持ちが、何度も頭をよぎったという。

競技再開となったその17番のバーディパットをキッチリと沈め、残す18番ホールは、誰もがスコアを計算しているロングホール。
“ここで、もうひとつ…”そう思って振り抜いたティショットは、フェアウエーをキープ。
しかし“欲が出た”というセカンドは引っかけてグリーン左にあるバンカー横のきつい傾斜地に。
そのアプローチも“寄せたい気持ちが強く出た”ものの、下り傾斜を計算しすぎて、カップまで8mを残すミスショット。
結局、絶対に取りたかった18番をパーとして、4アンダーでのフィニッシュ。3名でのプレーオフへともつれ込んでいったのだ。
 “今考えれば、正規の18番ホールは上りのパットを残して、しっかりとバーディを取るべきでしたし、そこがまだまだ成長できていませんよね”と冷静に語る秋吉。
 
 そんな秋吉は昨年のチャレンジトーナメントの賞金ランキングで9位となり『裏シード』を獲得。今年の前半は主戦場をレギュラーツアーに置いていた。
 だが、レギュラーツアーで自身の未熟さを知ることになる。
 “技術も体力も思いっきり跳ね返されてしまいましたし、全然太刀打ちできませんでした。こういう言い方をしてはいけないんでしょうけど、チャレンジツアーとレギュラーツアーは、セッティングはもちろん、環境も含めてまったくの別物です”
 レギュラーツアーで感じた、自らの技術や体力面での壁。だが、秋吉は再びその舞台に戻りたい気持ちをより一層強めている。
 “レギュラーでなければ感じられないことっていっぱいあったんです。今年、後半はチャレンジが主戦にはなりますが、そこから這い上がる気持ちしか今はありません”

そんな秋吉は、残り3戦に向けて、しっかりとした目標を立てている。
“今回、優勝することは出きたので、最低でもサードを免除されるチャレンジランク15位以内には入ることができたと思っています。ですが、残りの戦い方如何では、賞金王もまだまだ夢じゃないですし、裏シードを手にできるところまで確実に上がっていきたい。次戦のロイヤルメドウゴルフスタジアムも好きなコースですし、自分のゴルフができれば、優勝争いもできると思っているので、残り3戦が自分の中での本当の勝負ですね”

今年、レギュラーツアーの舞台も経験し、跳ね返されたとはいえ、その経験が秋吉をひと回りもふた回りも大きくさせていることは間違いない。そして、その自信の裏付けこそが、レギュラーツアーの舞台に再び立ちたいと思わせている所以である。
1歩1歩成長を続け、モチベーションを高く持っている今の秋吉は、これからも前を向き続けていく。

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