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THE SINGHA CORPORATION THAILAND OPEN 2015

金庚泰 (キムキョンテ)はなるか、結婚後の初V!!

この日は、早朝6時20分から再開する予定だった前日2日目の第2ラウンドの残り競技もまた、スタートが遅れて、そのあと続いて12時10分から始まった第3ラウンドも、日没ぎりぎり。

最終組で回ったキョンテ。「15番あたりから、だんだんやばくなってきて」。同じ組の選手たちとも、話し合った。「今日、1ホール残して明日の朝早く来て、また2時間くらい待って、最終ラウンドを回るのと、今日は多少ミスを覚悟して、駆け足でプレーをするか」。どちらがいいか。

決めかねぬまま、辺りはどんどん暗くなり、競技委員にせかされながら、最終ホールは「めっちゃ走りましたよ!」。湿気でむっとするタイの夕暮れに、息はゼーゼー。汗はだくだく。
「しかも全然、見えないし!!」。
最後の2打目はグリーンに届かず、アプローチも当てずっぽ。3メートルのパーパットも、「白いカップが見えるばかりで、ラインなんか全然読めない。フックで打って、入っちゃった」といちかばちかでねじ込んで、「ボギーもなく終われた。本当に良かった」と、首位との差を1つにとどめて「明日は、あってないような差。僕にもチャンスはあります」。

2010年に韓国勢として、日本で初の賞金王に輝いた“鬼”も一児の父。奥様のチョン・ソンイさんとの間に、可愛い男の子が生まれたのは4月4日。
2ヶ月になるチェハンくんのことを思えば、ホームシックも当然だ。「早く家に帰りたい・・・」。
タイで大きな土産を持って帰りたい。

結婚して、父親になり、かなり流ちょうな日本語も、さすがに「表現するのは難しい」と、懸命に言葉を選びながら、その自覚を語った。
「今までは実家で父と母と暮らしていたけれど、今は新しい家族と一緒で。俺が支えないと、と思う。賞金もたくさん稼がないといけません」。
タイでなるか、結婚後の初V。「優勝は運もある。意識して出来ることじゃないけれど、明日も自分のゴルフをやれれば」。父親になった“鬼”には、また別の強さが備わったはずだ。

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