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THE SINGHA CORPORATION THAILAND OPEN 2015

塚田好宣(つかだよしのぶ)の夢は、タイ語の優勝スピーチ?!

第二の故郷と言ってもいい大好きなタイで、肉体改造の効果を存分に披露する好スタートを切った。この日初日はピンチらしいピンチは、風に持って行かれたボールが、30ヤードもグリーンを超えてしまった7番くらい。今年はすでに自身6回目のタイで、ボギーなしの3アンダーをマークして、日本勢としては、星野英正と並んで最上位タイにつけた。

塚田ファンには、すでにお気づきの方もおられるだろう。今年、すっかり影をひそめたぽっこりお腹。今年は、8月のKBCオーガスタのタイトルスポンサーにも決まった。各界の著名人が劇的な変身をとげた姿を披露するテレビCMでも話題のトレーニングジム「ライザップ」。

塚田もけっしてお安くはないコース料金を払って、地元の千葉支店に通い始めたのがこのオフ。1月から3ヶ月をかけて、週3のペースで過酷なトレーニングに励んだ。
食事も含めたトータルケアは、けっして楽ではなかったが、おかげで体重は85キロから、7キロ減。体脂肪は25%から、今では16%を切ることも。

ここ最近、落ち始めた飛距離を補いたくて、一念発起したのだったが「飛距離はやっぱり、技術だった」と、そちらのほうは目下、試行錯誤のスイング改造で補うとしても、慣れ親しんだ塚田にとっても、やはり厳しいこの雨期のタイは「この時期はあまり歩いてラウンドしないので」。強い湿気は、つらいにはつらいが、「頭がボーっとする」と言いながらも、いまや割れた腹筋の45歳は正気を失わずに上がってこられた。

まだ日本ツアーに出場権がない時代に、稼ぎ場を探して各国を渡り歩いた中でも、もっとも塚田の気に入ったここタイは、「夕方にぷらぷらと街に出て、近くの居酒屋で飲むビールが最高」でも、試合中の今週は、「あまり酔っ払って、ふらふらし過ぎないこと。飲み過ぎ注意!」と、自分を強く戒め、まずはプレーに集中するのが一番の目標だ。

2013年に起ち上げたゴルフウェアのプライベートブランド「TY」は自身のイニシャルも、あえて名字を先にしたのは、洒落で「タイ」とも読んでもらいたいから。
左袖に「BANGKOK 2013」と“設立年”とともに、しっかり首都のロゴを入れたあたりにも漂う“郷土愛”。
大学時代は米士官学校の留学経験もあり、英語が堪能な塚田だがタイにハマってからは、タイ人の友人も多くタイ語も器用に操る。「・・・ここでもし優勝出来たら、そのときはタイ語でスピーチしようかな」。思い入れの地でツアー通算2勝目なら、確かにむしろそのほうが、素直に思いを表現出来るかもしれない。

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