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中日クラウンズ 2015

片山晋呉が「どえりゃ〜」ゴルフで65をマーク

難攻不落の和合で2勝の雄が、9番からの4連続バーディで、通な名古屋のゴルフファンをうならせた。「どえりゃ〜沸いてましたね!」と満面の笑み。しかし、熱い声援を全身に浴びる身体は「どえりゃー痛いですね・・・」と、そこは少し、顔が曇る。

腰に、今までになく激しい痛みを感じたのは、2015年のジャパンゴルフツアー開幕目前。「あれは4月11日のことでした」と、東建ホームメイトカップもやむなくキャンセル。
「もう、歳ですね」と、苦笑いの42歳。「若い子と、一杯練習したのが失敗でした」。恒例の宮崎合宿は今年、なんと56泊57日の超ロングステイは「ほぼ、休む暇もなく」。ちょっと休憩、と思う間もなく、「入れ替わり、立ち替わり、いろんな人がやってくるから」。
“シン語録”ではないけれど、過去5度の賞金王が積み重ねてきたゴルフのノウハウを教えてほしいと門を叩く若手が引きも切らず、「ああして、みんなが慕ってきてくれるのが嬉しくて」。張り切って、「率先してゴルフをして、やり過ぎた」と、いざ大事な開幕戦に穴を開けてしまったというわけだ。

懸命の治療で、2週遅れでようやく開けた片山の2015年。「久しぶりの試合で、こういう位置でやれることがまず嬉しい」と真摯に喜ぶ。
16番の2打目など、傾斜のあるところから打つと「痛い」と無理せず、あえてガードバンカー狙いで、「細かいの(小技)は痛くない」と、8メートルに乗せて長目のバーディトライは、「いま日本で2本しかない。その2本を俺が持っている」と、豪語する自慢のパターはユニークな形状で、「これが、何の悩みもなく入っちゃうんだよね」と、面白いようにパットも決まる。

深刻な腰痛を抱えながらも、この日貫禄の65は「な〜んか、出ましたねという感じ。和合だから出るのか、和合だから失敗するというのもあるけれど。今日はうまく行った。攻め方だけで乗り切れてます」と、和合での3勝目に虎視眈々。

28日火曜日に、市内のホテルで行われた前夜祭では、ジャンボと青木のゴルフ談義に、片山も呼ばれた。「おまえもちょっと来いと。言われて、おまえいま何使ってんだから始まって、本当にあの人たちは好きだわ、って。ゴルフへの欲が異常だわって」。そう感心しながら、自分もまたその場にいさせてもらえることの幸せ。「こうして2人の生の声を聞けて嗚呼、ゴルフをやっていて良かったな、と思う瞬間」。和合で最多の5勝を誇る2人の凄さを、目の当たりにしてきた選手の一人だからこそ、ここで勝ち星を重ねていくことの価値を誰よりも重く受け止めている。
「明日もまた、うまくいったら死ぬ気でやります」。
AOにまた一歩近づく大会3勝目にむけて、片山が名古屋で着々と牙城を築く。

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