Tournament article

カシオワールドオープン 2015

鬼が笑った!金庚泰(キムキョンテ)が2015年賞金王の座に。

 2015年ジャパンツアーは、次週が最終戦となるが、それを待たずして今大会で今年の賞金王が決定した。今季5勝と圧倒的な力を見せつけ、キョンテが2010年以来となる2度目の賞金王となった。
 
 今大会開催前に逆転の可能性があったのは先週優勝した宮里優作と池田勇太の2人。しかしその条件が今大会を含めた2連勝とあってはキョンテの独走状態だったことは間違いない。

 ただその道の終盤にもピンチはあった。ミュゼプラチナムオープンで今季2勝目を挙げ、賞金ランクトップへ。さらに勝ち星を積み上げ、2位との差を開いていったキョンテだが、11月の初めに中国北京で行われた世界ゴルフ選手権「HSBCチャンピオンズ」の終わりくらいから体調を崩し始めた。一時は高熱が続き。立つのもやっとのことだった。「優作さんが最後のほうは毎週調子が良かったので気になりました」と自身の心境を答えた。
 長い間の体調不良だったが「今日が一番よかったです。集中できました」と最終日にようやく回復傾向に。「ここで決めたかった。自力で決められなかったけど」と話しながらもほっとした表情が見えた。

 昨年、一昨年と思ったような結果が出ず、低迷していた時期もあったキョンテ。そんな時、“なんでオレはダメなんだろう”と自問自答を繰り返し苦しんだ。それを乗り越えて掴んだの賞金王の座。「悪い時の期間をちゃんと大事にしてやれば、後で良いことがある。その時間があったから今があるのだ」と。このことを常に思い出しているという。そして今はそれを後輩たちにも伝えている。

 「2010年の賞金王を獲った時よりも自分のゴルフがよくなった。これからもいける気がしました」と今後の自信ものぞかせた。「世界ランクを上げてマスターズに行きたいです」と鬼はさらなる高みを目指している。

 また今大会では、金庚泰の賞金王獲得を記念して、大会主催のカシオ計算機株式会社樫尾隆司大会実行委員長より“CASIOプレミアム電卓「S100」シリアルナンバー入り”が贈呈された

 ※賞金ランク2位の宮里優作は「ひどかったの一言」と悔しさをにじませる。「本当ならば−4か−5で回らなくてはいけなかったのに」と話し、さらに4回の3パットも反省しつつも連戦の疲れがたまっているようだ。「賞金王はダメだったけど来週は得意な試合なのでそこに向けて切り替えて頑張りたい」。

 同ランク3位の池田勇太はこの日、4バーディノーボギーと好調だったが昨日までのスコアが尾を引き、優勝には届かず、キョンテの賞金王当確に待ったをかけることはできなかった。池田は「自分が頑張れなかったのでしょうがない。」と話した。

 

関連記事