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三井住友VISA太平洋マスターズ 2015

バッバ・ワトソンは3位に終わる

2年連続3度目の御殿場で、優勝だけを睨んで来日したバッバには、本当に残念な最終日になってしまった。「結果はどうなっていたか分からないですけど、優勝出来る位置にいましたから。プレーがしたかった」。

悪天候にもかかわらず、コースに足を運んでくれた大勢のゴルフファンにも自らの優勝で報いたかった。
「せっかく来ていただいたのに、プレーをお見せすることも出来なかった」。
せめてものお礼の気持ちと、寒さ凍える前日の3日目と同様に、中止となったこの日最終日も、延々と続くファンの列に黙々とサインペンを走らせた。

「ゴルフは僕にとって非常に大切なもの。ファンには敬意の気持ちを返すべき」。それはアメリカでも日本でも、どこの国でも同じで、「自分の行いによってゴルフトーナメントをさらに、大きくしていきたい」と、ゴルフを愛する気持ちは国境すら越えていく。

今年もまた、桁外れの飛距離が話題の的になった。そして、予選ラウンドで回った石川遼をはじめ、多くの選手たちがその飛距離以上に目を剥いたのが、球を曲げて打つ技の数々だった。

「トーナメントではプレッシャーの中で、時として球を曲げていかなくてはならない時があります。たとえば2012年のマスターズでは、私もプレーオフの2ホール目に右の林に入れてしまいましたが、フックボールでグリーンを捉えて優勝することが出来ました。まっすぐの球ばかりを追い求めるのではなく、遊びの中で覚えたことが、生かされている訳です」などと持論を展開しておきながら、「だけど、日本のジュニアのみなさんには、まずフェアウェイを捉える練習をして欲しいです」と、笑った。

「ゴルフはその人の考え方や、生まれ持った能力が大事で、たとえば石川選手はショートゲームが非常に上手いですよね。ドライバーは、1ラウンドの中で数回しか握らないものですし、それなら飛距離より、得意なショートゲームを磨いていくべき」。
その人の特性を生かす練習を通じて、成長していくべきだと説いた。

御殿場のクラブハウスでは、「レストランのビーフカレーが美味しくて、美味しくて・・・」。毎日おかわり。今年、太平洋クラブの名誉会員に迎え入れられ、優勝こそ逃したが「メンバーになれて本当に良かった」と、今回の来日はなんといってもそれが一番大きな収穫だった。

「今週は、僕の悪いショットにも、良いショットにも、大きな声援を送ってくださって、ありがとうございました」と感謝したバッバは3位賞金の765万円を、今年もそっくりそのままポン、と寄付して「日本のジュニア育成に役立ててください」と、言い残して帰っていった。

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