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池田勇太が首位を死守

雨も降り出したムービングデーの土曜日は、いきなり暗雲たちこめた。1番のティショットを大きく左に曲げて、「OBにはならなくて良かった」。とはいえ、ボギー発進にはその後のこの日の展開を予感させた。

「今日は本当に苦しかった」。雨で湿った高麗グリーンは、「滑って、打った球の質によって跳ね方というか、ずっと晴れた中でやっていた昨日までとは、感じが違っていて。早いうちに、気づいて対応できたのは良かったけれど」。

勝ちたい。そう思うほどに、ことごとく気持ちとは反対方向にものごとが進んでいく気さえする。「昨日なら、入っているのが入らない。ショットも若干、前後の距離が違ったり、ライが悪かったり、ディボットに入っていたり・・・。気持ちもね。やることやること全部、逆にいく」。
グリーンサイドで何度もこぼれたため息が、この日の苦悩を物語っていた。

「よく1アンダーで終われたもんだと思う」。
13番で3連続バーディを奪った同じ最終組の孔明にいよいよ並ばれ「ああ、これからこの調子でいくんだろう」と、相手の反撃を覚悟した。しかし、次のホールで孔明のティショットが“木”になって「あれは不運としかいいようがない」と、気遣った。

今週火曜日に、大型の台風15号が通り過ぎたあと、例の木の下に無数のボールが落ちているのを、池田も目撃していた。
「台風で、全部落っこちたから、逆にまた孔明さんのが木になっちゃった、ともいえる」と、池田の専属キャディの福田央さんがスルスルと、器用に木をのぼりって懸命の捜索も、見つかったのはことごとく他人のボールで、とうとう孔明はロストボールのダブルボギーで後退した。

その後、終盤は深堀と池村と3人が並ぶ展開も、池田の18番は「最後くらい、入ってくれても良かったけれど」と、苦笑いのイーグル逃しも、しっかりとバーディで締めくくって、1打リードで首位を死守した。
「今日1日我慢してやった。イーブンよりも、アンダーで回れたのは良かった」と、胸をなで下ろした。

3期目の選手会長として、「集大成の年にする」と誓った今季初Vのチャンス。「自分で作ったチャンスだから。明日は思う存分やりたい」と、3日目の鬱憤は最終日にこそ晴らす。
「明日はツキも来ると思うし、バーディも量産したい。ギャラリーやファン、俺を見てくれる人たちに、俺らしいゴルフを見せたい。勝つ気持ちを最後まで持って戦えたら良い」。
大会2勝目を達成して、本業でも存在感を示すつもりだ。

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