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日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 2014

初日5位タイ! 今井克宗の心の支えは

ツアー通算2勝の選手も2007年にシード権を失ってから、もうずいぶん経つが、初日は本人も仰天の好スタートだ。
「最近は普段のゴルフでもなかなか出なかったのに、こんな難しいコースでアンダーパーが出ちゃったよ!」。

1ダブルボギー、2ボギーも想定外。18ホール中16ホールで池やクリークが絡む難コースは「俺の場合は2ダブルボギー、4ボギーの計算だった」。スタート前に、キャディと話し合った。今日は何回、池に入れるか?
「ボールは1ダースだけにして、無くなったらやめようか」などと冗談を言いながら出て言ったのに、この日は一度も池に入れずに、まして奪ったバーディ5つに「そんなに取れるなんて思ってもいない」。
思いがけず、ティショットがことごとくフェアウェイを捉えて、本人も予想だにしなかった上々のスタートだ。

今大会主催の日本プロゴルフ協会のプロテストには、3度とも失敗しながら99年から始まったQT制度により、プロ資格がないままツアーに参戦。2003年にはプロ資格を持たない初めてのツアー勝者になった。

現制度の先駆け的存在はしかし、近年は年に5回も6回もぎっくり腰を患い、ここ数年は周囲にも「引退」をほのめかし続けている。今年もすでに、3度やった。「一度やっちゃうと、痛くて1週間は動けないから」。
腰の爆弾を抱えながらも、こうして細々とプロ活動を続けているのは、ジャンボ尾崎の存在が大きい。
練習がてら訪問を続けているジャンボ邸で繰り広げられる光景は「あの年でもあれだけ練習を重ねている姿。俺も一生懸命やらなきゃいけねえな、って。ジャンボさんを見ていると、ゴルフには真摯に取りくまなきゃと思わされる」。
破天荒なプロ人生からかつては「ラ・ボンバ」の異名を取った暴れん坊も、早42歳を迎えて、難コースとも真摯に向き合う。

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