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フジサンケイクラシック 2014

「くぼさん、ありがとう・・・!!」by鈴木亨

先週の会場に、言い忘れてきた感謝の気持ち。初日の好発進で、改めて伝えることが出来そうだ。先週は13位タイだった「アールズエバーラスティングKBCオーガスタ」から好調が続いているのは、「芥屋のハウスキャディさんのおかげなんです」。

“くぼさん”は、もはや漢字もフルネームも鈴木には確認できないのが残念だが先週は、あたなにバッグを担いでもらった鈴木選手はとても、喜んでますよ、くぼさん!

鈴木によると、“くぼさん”は64歳で、勤35年の大ベテランだそうだ。最初の出会いは6月のチャレンジトーナメント。同コースで行われた「LANDIC ゴルフトーナメント2014 アソシアマンションメモリアル」では練習ラウンドで10バーディを記録するなど“くぼさん”ととても楽しく回れたから、「次はKBCでも」とお願いしたら、“くぼさん”は笑って言ったそうだ。
「私は本当はもう引退した身だから・・・無理よムリ!」。

鈴木はすっかり諦めていたのだが、いざ夏の芥屋でまた再会出来た。「僕に言われたことが嬉しくて“くぼさん”は張り切って整体に通ったり、トレーニングをしたり、体調を整えてバッグを運ぶことにしてくれたって。他のハウスキャディさんから聞きました」。
“くぼさん”との4日間は、ことのほか楽しくて「優勝したとき以上だったかもしれない」と、和気藹々のラウンドの中で鈴木は気が付いたことがあった。

「僕はいつも自分のことを認められなくて、ミスしたら必要以上に何やってんだ、って。自分を責めるところがあったけど、もう歳も歳なんだから。ミスしたらしょうがないかなと、そういうふうに思いながら、先週も今日もまた僕らしくない“大人のゴルフ”ができ
たのは、“くぼさん”のおかげなんじゃないかって。先週の帰りの飛行機の中でも、ビールを飲みながら思ったんです」。

選手とキャディと合わせたら、112歳の“最年長コンビ”の戦いでつかんだ新境地だ。「気持ちの持って行き方が変わった」と、自分でも痛感しながら迎えた今週の初日も好調は続いていて、この日はほとんどフェアウェイもグリーンも外さず、唯一ボギーは「ボールに泥がついていた5番だけだし、ミスしても、ガッカリしないでやろうと思えた」。
“くぼさん”のいない富士桜でも、楽しんでゴルフが出来て、改めて「“くぼさん”にありがとう、と伝えたい」。

2012年にシード権を失って以来、主戦場にしているチャレンジトーナメントでは2勝をあげるなど、若手に混じって奮闘しながら今年こそ「復活したい」と、思いは切実。
その舞台はぜひ、この思い出の大会で。フジサンケイクラシックはまだ川奈が舞台だった1993年に、コース新をマーク。京子さんとの婚約を発表したのもまさにその日。大会主催のサンケイスポーツの「裏一面にデカデカと載せていただいた」。そのときに、同社のカメラマンさんが撮ってくれた奥さんとの2ショット写真は、今も自宅のリビングに大切に飾ってあるという。
良い思い出が詰まったトーナメントで、元祖ボンバーが復活ののろしをあげる。

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