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中日クラウンズ 2014

岩田寛は「おめでとうは、結果が出てから」

5アンダーをマークして、いよいよあがりの2ホールは、ピンチをしのいで上がってきた。17番のパー3は、バンカーから左足下がりの2打目を80センチに寄せた。最後の18番も、手前のバンカーは目玉のライからパーセーブだ。

「今日はたまたま。ラッキーでした」。今年の和合は週初めの大雨と、ラフもあまり深くなく、「ミスしても、グリーンに止められるけど、去年の和合だったらきっと僕は予選落ちですね」。

薄氷のV争いが繰り広げられた昨年ならば、こうはいかなかったと岩田は言う。「今日フェアウェイに行ったのは、2,3ホールじゃないかな? ほとんどラフで」。昨日の雨に助けられて、4位タイにつけた。

今年は3月にタイで行われた全英オープンのアジア予選でトップ通過。帰ってきたら、口々に「おめでとう」と言われて首をかしげる。

「おめでとう、って・・・僕の中ではちょっと違う」。2度目の切符を受け取ったことは、それはもちろん嬉しいが、それを言うのはまだ早い。

「全英でいいゴルフをして初めて“おめでとう”ですよね?」と、報道陣に気持ちを代弁されて「良いこと言う」。
昨年は、東北福祉大の同級生が、ツアー初優勝を飾った。宮里優作が悲願達成に11年かかったというのなら、岩田は勝てないまま今年、12年目を迎えたことになるが、「優作に比べれば、僕の悩みなんて屁みたいなもの」。

アマチュア時代から、鳴り物入りでプロデビューを果たした宮里は、「最初は“優作の妹”とみんな言っていたのに、いつの間にか“藍ちゃんのお兄ちゃん”に。知らない人たちからも本当にいろいろ言われて、ツイッターにもいろいろ書き込まれて、優作は絶対に表には出さなかったけど、心の中では相当に怒りというか、燃えるものがあったのを僕は知ってるから」。

それだけに、昨年のツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で腰を抜かすほど泣いた優作の姿に、「初めて素を見た感じがした」と、岩田は言う。
同級生のあの歓喜と苦闘とは、比べものにはならないかもしれないが、岩田もその日を迎えてはじめて、祝福の言葉を素直に受け止めたい。

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