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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2025
ついに出場最年長。岩田寛が挑む大会3番目の年長V
44歳の岩田寛(いわた・ひろし)は5年連続10回目の出場で、今年はついに出場選手の最年長になった。
若手がひしめく今季の集大成で、通算3アンダーは、4打差の5位タイで週末に入った。
「(ゴルフに)年齢別とかあれば考えますけど、ないので」。
特に頓着はしないが、もし勝てば、ジャンボ尾崎と青木功に次ぐ、3番目の年長Vとわかると、好奇心がむくりともたげた。
「ジャンボさんと、青木さんは何歳だったんですか?」。
1996年大会を制したジャンボが49歳で、1987年大会の青木功が45歳と知れば、おのずと闘志も沸き立つか。
先週の「カシオワールドオープン」では57歳の谷口徹(たにぐち・とおる)がレギュラーツアーから一線を引くことを表明し、会場でセレモニーが行われたが、岩田は参加できなかった。
「最初そういうのはやらないと聞いていたし、谷口さんが予選落ちをすると思わなかったから、帰っちゃったんです。自分もそこにいたかったな…」。
27シーズンもの間、出場資格を守り続けた谷口。
「すごいな、と思って。今も痛いところはないと言っているけど、いちど病気をして、今もけっこうな量の薬を飲んでいるので」。
それでも一線に立ち続けたレジェンドを、岩田もあの場で称えて労いたかった。
「スポンサーもつけず、推薦も1回ももらわずに。昭和ですよね」。
食事に行っても、いつもごちそうしてもらうから、たまに「きょうは僕が」と岩田が言っても、ガンとして、絶対に後輩にお金を出させなかった。
いつも誘われるのに先週は、なぜか誘われなかった。
「食事に行ったら泣いちゃうからかな」。
先々週の「ダンロップフェニックス」の予選ラウンドで岩田と同組でまわれたときには、すでに泣きそうに見えたという谷口。
前を走り続けてくれた先輩が、またひとり、第一線から去った。そのことには、岩田の胸にも去来するものがある。
3番目の年長Vがかかる本大会で、岩田は5度のトップ10を記録しているが、そのうち2007年は、最終日最終組でまわってBジョーンズに2打差で負け、2020年も再び最終日最終組で臨んでチャン・キムに1差の2位で負け、23年は、大学先輩の谷原秀人(たにはら・ひでと)と争いまた1差の2位で敗れた
少なからずの思いを胸に秘め、「まだ2日目。きょうは粘り強くできたので、明日も粘り強く」と、言葉少なに抱負を述べた。














