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中日クラウンズ 2014

昨年覇者が10アンダーをマーク

昨年は通算2アンダーで和合を制した選手が、今年は初日から、なんといきなり10アンダーの大盤振る舞い。松村道央が、2010年に石川遼が達成したギネス記録の58にも迫る勢い。

1番は、1.5メートルのバーディが決まると、「あれで波に乗りました」。打てば寄る、打てば入ると、この日の松村は、何をやっても上手くいく。16番では、手前から30ヤードのアプローチがチップイン!
「10バーディ目で、50台もリーチ」と、そう思った瞬間に、「それまでは平常心で、気持ち良くゴルフをしていたのに。変に意識をしはじめたら、急に体が硬くなっちゃって」と、石川の記録もちらりを頭をよぎればなおさらで、それでも最後の18番は、ナイスパーだ。

2打目は「リスクをしょって、ピンに向かって打って行こう」とあえてピンサイドの狭いエリアを狙ったのは勇気があるが、「“50台のプレッシャー”がちょっとあって。体がスムーズに動かなかった」とグリーンのすぐ右下のラフに落っことしたが、そこから絶妙の寄せ。
50台の壁を破ることは出来なかったが悲願成就にむけて、絶好のスタートを切った。

今年は、「体も、ゴルフも気持ちも」まず最初のピークをこの大会に合わせて、乗り込んできた。ついでに髪の色も、「照準を合わせてきました」。
こう見えて、目立ちたがり屋。今年は特に、ウェアの色もど派手な蛍光色が目立ち、この日も朝は白と迷った末に選んだという目にも鮮やかな蛍光ピンクが、和合に映えた。
ど派手な髪色も、今週月曜日に金色に染め直して一分の隙もなく、1番ティに立って「今週は、連覇しか見ていない」。

ツアー通算4勝も、こんなに強い気持ちで初日のティーインググラウンドに立ったのは、初めてだ。この大会は55回と長い歴史を思えば、自然と心が奮い立つ。
「連覇を達成しているのは、青木さんとジャンボさんだけしかいない(※1)」。
今年、その2人に並ぶチャンスがあるのは自分だけしかいない。

「そういう気持ちを強く持って、ここに来ました」。
それにしてもここ和合で初日から、いきなり10アンダーは、本人も予想だにしていなかった。
60は、ツアー史上歴代3位タイの最少ストローク(※2)でかつ、自己ベストを3つも縮める好発進のついでに、ぜひ「50台で回りたかった」と、石川の記録に並べなかったのは悔いが残るが「最終目標は。ここで優勝することなので」。大量アンダーが出た翌日のゴルフは、「なかなか思うようなゴルフはやらせてもらえない」とは、今までに本人にも経験がある。
「明日は難しい日になると思うが、再び初日のスタートに立つつもりで、1個1個大切に、ひとつでも多くバーディを取って、少しでも連覇に近づきたい」。
本当の楽しみは最後の最後に取っておく。

(※1)青木功は今大会73年、75年、78年、79年、80年。ジャンボ尾崎は87年、92年、95年、96年、97年制覇。
(※2)「60」は、石川遼の「58(2010中日クラウンズ)」と、倉本昌弘の「59(2003アコムインターナショナル)に続いて、藤池昇龍(98三菱ギャラン)と並んで歴代3位のツアー最少ストローク

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