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日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills 2014

2005年大会のチャンピオン! 細川和彦が思い出の宍戸で

思い出の宍戸で、トップタイ。地元茨城県出身のベテランが好スタートを切った。

プレーオフの末に、家族の前で涙ながらにもぎとった。ツアープレーヤーNO.1の称号は「なつかしい・・・何年前ですかね?」。難病指定の潰瘍性大腸炎を発症してから最初の勝ち星となった2005年。あれから9年が過ぎて、その間にシード落ちの憂き目も味わい、今は年齢から来る体や感性の衰えと格闘する日々。

今年はファイナルQTランク8位の資格で、特にツアーと掛け持ち参戦中のチャレンジトーナメントでは、若いパワーにギャップを感じつつ、刺激を受けるのはやはり同年代の選手たちの活躍だ。

先週のチャレンジトーナメントは「富士カントリー可児クラブチャレンジカップ 2014」を制した鈴木亨。
さらに先々週は日本プロで、手嶋多一が45歳にしてプロ日本一に輝いた。
「手嶋さんもそうだけど、いつも自分のスイングやリズムを大切にしているでしょう?」。若いゴルフに圧倒されて、つい余分な力が入りがちだが、今も一線で活躍する40代はみな、自分の持ち味を頑固に貫いている者ばかりだ。
「見ていて、改めて勉強になる」と、細川は言う。

一方で、「亨さんは、クラブのシャフトを変えて優勝されましたし」。かねてより、自分も考えていたことだが、それを受けて踏ん切りがついた。今週は、シャフトの総入れ替えで、「全部、1フレックス落として柔らかいのにした」という。

それに、ここ宍戸ヒルズカントリークラブは最寄りの北関東自動車道を使って約50分の自宅通勤。「家からだから。色々クラブを持ってきて、試せるでしょう?」。それもひとつのきっかけに、思い切ってトライするなり結果が出たかっこうだ。

「若い頃は、上げて下ろせばピンに行くし、打てば入るというゴルフ。でも今はそうはいかない。いくらトレーニングをやっても体の踏ん張りが違うし、上(半身)と下のバランスがばらばらで、力ばっかり入って飛距離が出ない。その中でいかにやれるか」。

自分の感性や持ち味を大事にしつつ、その中でも足りない分は、道具や経験で補ったり「シャフトで粘りを出していくとか、僕もそういう変わり目に来ているんだな、と」。加齢をプラスに変えていこうと、試行錯誤を続ける中での好発進だ。
2012年に、涙のシード復活も昨年は再び陥落。ファイナルQTはランク8位から奪回を狙う今年こそ「頑張って稼いでいかないとね」。思い出の宍戸を今度は復活の舞台にしたい。

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