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日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills 2014

中嶋常幸は「この大会だから、俺は来た」

中嶋が、関西オープンに続く今季2戦目。しかし昨年、手術に踏み切った左膝の状態は、思わしくない。大雨のため、プロアマ戦が9ホールで終了した開幕前日18日の水曜日。
表彰パーティが始まるまでの数分を惜しんでロッカールームの片隅で、患部をアイシングしながらつぶやいた。

「だけどこの大会だから、俺は来た」。
「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」は、今年のツアープレーヤーNO.1決定戦であり、「ツアーが主催する唯一のトーナメントであり・・・」。

誰もが目の色を変えるタイトルは、もちろん59歳にとっても、特別なものがある。ましてや、会場の宍戸ヒルズカントリークラブはここが、熱戦の舞台になってからは特に、中嶋が改造・監修に携わり、「選手たちの真の実力を引き出すセッティングを。ドライバー、ウェッジで終わり、ではなくて。14本のクラブすべてを使わせるコースを」。

中嶋の声に応えて、年々進化をとげていく宍戸。
「この大会のために、これだけの費用と労力をかけて、最高の舞台を作ろうと毎年、毎年努力を重ねてくださるコースの方々の熱意・・・嬉しいよね。選手だって、絶対に頑張ろうって思うよね」。
まして今年は大会が、コースの母体の森ビル株式会社と、2017年までの複数年契約が実現して、大会のタイトルも「森ビルカップ」と、絆もますます深まった。
その記念の年を、本調子で大会を迎えられないのは苦しいが、「俺もやれる限りは全力で頑張る」。
ツアー通算48勝の永久シードプレーヤーが、レギュラーツアーの出場に際して、目安にしていることが2つある。

「まず、キャリーで250ヤード以上は飛ばせること。そして年間、何試合かのうち、いくつかでも予選通過が出来ること。それができなくなったらけじめをつける」。

パワーなら、まだまだ若手には負けない自信がある。「だけどいくら永久シードでも、足手まといになるのは嫌だからね」と、苦笑いを浮かべつつ「でも、まだまだ予選突破をする自信もあるし、予選さえ通れば、勝つチャンスも巡ってくるとの確信もある。俺もまだまだ頑張る。今週も戦いきる」と、開幕を目前に気を吐いた。

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