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日本オープンゴルフ選手権競技 2014

アダム・スコットはイーブンパーで決勝へ

世界基準の豪打は相変わらずでも、この日2日目は、トレードマークの長尺パターに精彩を欠いた。早朝7時34分のスタートは、日課のエアロバイクも4時半からこいで、汗を流して万全に備えてコースに来たが「拍子抜けをした」。前日初日とはグリーンが一転、速さを増しており、1番でいきなりの3パットを食らった。
その後も「感覚をつかむのに、時間がかかってしまった」と7番、10番、12番でも、3パットを重ねてこの日のパーオン率は72.22%と高い数値を記録しながら、パット数33が痛い。

加えて、この日は後半から強い風。「特にティショットはティグラウンドの横から吹いて来るので、狭くトリッキーなフェアウェイに打っていくのはなおさら難しかった」と、タフな1日も「思い通りにいかなくて、いらつく場面もあったけど、たとえボギーを打ってもポジティブに考えた」とスコット。

一時は予選通過もどうか、というところまでスコアを落としながら「どうにか切り抜けることが出来て、いまはホッとしています」。

ストレスの溜まるラウンドも、投げやりな態度は微塵も見せずに、爽やかさは保ったまま。
「以前、素晴らしい先輩から学びました。どんな状況でも、常に全力でプレーすること」。スペインのホセ・マリア・オラサバルから言われたという言葉を今も胸に、いかなる時も紳士的なプレーを貫く。

そろそろ、時差惚けの症状もピークを迎えるころ。前夜はホテルのルームサービスでスープとスパゲティの軽い夕食で済ませて、体を休めた。
朝晩もトレーニングも欠かさず、首位との差は9つと、さらに広がっても日本一のタイトルをにらみ続ける。
19位タイで迎える決勝ラウンド。「僕はノンプレッシャーだけど、それに比べてリーダーは凄くプレッシャーがかかるだろうし、明日はこっそりと、背後に寄って行きたい」と、虎視眈々と「明日は4打差か5打差まで詰め寄れたらいいね」。この日はグリーンジャケットを彷彿とさせる深い緑のポロシャツは「オーガスタの思い出もあるし、大好きな色。4日間のうち、1度は着るようにしています」。週末こそ、マスターズ覇者のプライドを見せつける。

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