Tournament article

アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン 2013

S・J・パクが今季2勝目を逃して涙

表情ひとつ変えずに、入ったスコア提出所。貞方が、先にチェックを済ませて出て行き、部屋には母国の大先輩と2人きりになった。

「本当に惜しかったけど、お前はよくやった」とY・E・ヤンに肩を抱かれて、堪えていたものが、堰を切って溢れ出た。両目から、大粒の涙がこぼれた。

スタートの1番で、同じ組のヤンと、貞方よりも遠いバーディトライを沈めるなど終始、有利にゲームを進めてきただけに、終盤のドンデン返しはさすがのパクにもこたえた。

3つのリードで迎えた16番で、グリーンの奥に外した。2メートルのパーパットは打つ前に、前の17番ホールから大歓声が届いてきた。川村がバーディを奪って2打差に迫った合図を聞くなり、その直後にパーパットを外して、たちまち1打差に。

次の17番ではまたボギーを打って、ついに逆転を許した。最終18番は、再び追いつくチャンスも、奥のカラーからパターで3回もかかった。
川村の初優勝を許した。
賞金ランクで1位を独走中の松山英樹が日本を留守にする今こそ、ランク2位のパクが、初優勝からの今季2勝目で少しでも差を縮める好機も、今年3度目の2位に甘んじた。

「たとえ負けても、きちんと勝った選手を称えたい」と、いつでも気丈に振る舞ってきた。今回も「川村選手は初優勝。おめでとうが言いたい」と、アテスト場で流した涙もひそかにぬぐい、笑顔で勝者の前に立った。川村に駆け寄りしっかりと、その手を握って精一杯の祝意を示した。

関連記事