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〜全英への道〜ミズノオープン 2013

ミズノ勢が発奮!【インタビュー動画】

この日は懇親パーティに
ミズノ株式会社が主催のミズノオープンは、所属プロにとっては、メジャーにも匹敵するくらいに力の入る大会である。

「一番、勝ちたい試合」と、ベテランの鈴木亨もいつもなら、闘志をむき出すところだが、今年はちょっぴり肩身が狭い。

これで24年連続の出場も、今年は初の“主催者推薦”。当時としては、最長の18年連続のシード権がついに途切れたのは一昨年。生涯獲得賞金25位の資格で“復活”を期した昨年もまた失敗した上に、出場権さえ失い今季ツアーには、ほとんど出番がない状態なのだ。

全英オープンの日本予選の最終戦にあたる今大会。
特に、今年の会場となるミュアフィールドで行われた前回の2002年大会で、鈴木は自身3度目の出場を果たしており、当時のことは今もはっきりと覚えている。

とにかく過酷な戦いだった。リンクスコースはまさに、1日で春夏秋冬の季節があるというとおりに、雨と嵐。また朝はカシミアのセーターを着て出たと思ったら、昼間には真夏のような暑さでたまらず半袖になったはいいが、夜にはダウンコートさえ羽織りたくなる。

特に、数あるリンクスコースの中でも、ミュアフィールドの厳しさは有名で12年前は、優勝争いをした丸山茂樹があまりの雨と寒さにフェンスの影でしゃがみ込み、手に懸命に息を吹きかけ暖を取ったシーンは、誰の胸にも記憶に残った。

鈴木も例外ではなく、「しかし僕はあの年も予選落ちをして、家でテレビで見たんですけど」。丸山が、5位タイに入るも1打足りずにプレーオフに進めなかった優勝争いも“現場”で見られなかったのは残念だった。

「イギリスっていうところは、日本で良い成績をあげて行っても雲が低くて、風が重くて。日本とは、全然まったく違う環境に慌ててしまって、終わってしまって」。

47歳の今年、改めてリベンジと言いたいところだが、自らの現状を考える限りはこれまた大きなことは言えずに、この日26日の水曜日は、ホストプロとして臨んだ開幕前の記者会見でも「そのへんの意気込みは、ちょっと別に置いておいて」と、苦笑い。
それよりもまず、日本での復活が最優先だ。「ミズノと契約をさせていただいてもう20年以上。この大会は、いつも熱い気持ちでやらせていただいていますがここ数年は、ミズノ勢の優勝がない。今年はぜひ」と、胸に秘める思いはある。

また、一緒に会見に臨んだ手嶋多一もそれは同じで、「もう一度、ミュアフィールドにいけるように頑張りたい」。手嶋もまた、同コースで行われた2002年を最後に、全英の舞台から、遠ざかっている。
当時は2日目の途中までは、決勝ラウンド進出にも余裕のプレーも、「後半に43を打って、予選落ちをしました」。その難しさには、スタートホールから、早々に恐怖がせりあがってきたものだ。
「1番ホールの難しさときたらボギーで上がればガッツポーズが出るくらい。僕にとってはそれくらいの難しさ。一つのミスが、ダボやトリにもなる」。
そんなコースにぜひ再挑戦してみたいと思ってきた。
このミズノオープンは、上位4人にも全英オープンの出場権が与えられるが昨年は1打足りずに5位に終わった。ますます募ったリンクスコースへの思い。「ぜひ、今年は行きたいですね」と、気持ち新たに、この“最終戦”に挑む。

  • R&Aの会見に、ホストプロとして大忙しの手嶋と鈴木(左から)。本戦でも健闘を誓った。

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