Tournament article

〜全英への道〜ミズノオープン 2013

金庚泰 (キムキョンテ)が単独2位に【インタビュー動画】

無類の安定感を誇る選手もこの2年間は、球を曲げ通しだった。「だから、やってても、ゴルフが面白くなかった」。そんな経験は、本当に生まれて初めて。
賞金王に輝いた翌年の2011年から、積極的に参戦した米ツアー。パワーゴルフにまみれて、「僕も」と躍起になったことで、すっかりスイングを壊して帰ってきた。

その後遺症を、つい最近まで引きずり、先月は母国に帰って原点回帰。ナショナルチームの時代にお世話になったコーチに救いを求めた。

アドレスの際にふところが狭くなり、窮屈なスイングになっていると分かった。
「日本語で胸のちょっと下の……なんていんですかね?」。
みぞおち。
「そう、そこの部分を上下動させないように。テイクバックからフィニッシュまで同じレベルを保つようにしたら、すごく良いボールが出るようになったんです」。

もっともコーチの言うとおりのスイングを始めてまだ、1ヶ月も経っていない。「本当にこれでいいのか。不安な部分もある」とまだ半信半疑だが、先週の最終日から今日までは納得のスイングが出来ているといい、しかもこの3日間は連日の60台に、明るい兆しが見えてきた。

前日2日目に同い年のS・H・キムがなんと11アンダーをマークして、周囲を驚かせたが金だけは、「それもあるだろう」と、特にびっくりもしなかった。
ナショナルチームからの友人で、彼の凄さは知っている。
「本当に、ある日突然、急にものすごいスコアを出すんですよ、あの人は…」と、呆れたように笑った。

日本ツアーへの参戦も今年からと、キョンテや裵相文 (ベサンムン)とは少し遅れて出てきたが「彼は2年の兵役があったから」。実戦に戻ってくれば、彼もまた大活躍する選手だと分かっていたから、驚かない。
最終日を前に、そのキムに2打差をつけて、キョンテもしっかりと優勝争いに加わってきた。
「自信も少しずつ戻ってきているから」。王者の風格も戻ってきた。

関連記事