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関西オープンゴルフ選手権競技 2013

8位タイの簗瀬元気は30歳にして、初の予選突破!!【インタビュー動画】

よく聞かれることだが、高級自動車を扱う会社とは、縁もゆかりもない。「あちらは漢字に“たけかんむり”がない(梁瀬)でしょう?」。そして、これまたよく聞かれることだが、名前は昭和の人気漫画「がんばれ元気」からきている。おかげで、「いつも“元気”でいないといけないような・・・」。そんな、妙なプレッシャーに、ひそかに悩まされる30歳である。

ツアーは、これが6試合目にして、初の予選通過だ。初日に、7位タイで出ながら2日目に80を打って、予選落ちを食らった5月のダイヤモンドカップ。「あのときは、ボギーが先行して、それを取り戻そうとして、またボギーを打って・・・空回り。ずるずるとスコアを落とした」。屈辱の記憶に「今日は、そのリベンジをというつもりでプレーした」という。

「守るべきところと、攻めるべきところ。そのバランスを心がけてプレーした」と特に、難しい14番と16番では気を引き締めた。いずれも「ティショットが構えづらい」という2ホールは、ラフを渡り歩きながらも、いずれも2〜3メートルのパーセーブ。

最後の18番は強いフォローの風に乗せ、6番アイアンでピン左手前の3メートルにつけてバーディ締めだ。初の決勝進出は、首位と3打差の優勝争い。「嬉しい」と、つい笑み崩れながらも「まだ2日目。明日も、明後日もある」とツアーでの“初賞金”を、少しでも底上げするためにも、気を引き締めなおした。

2007年にプロ転向してからというもの、このところオフに必ず、逡巡するようになった。「このまま、ゴルフを続けるべきか・・・」。ツアーでの生涯獲得賞金はまだ0円。所属コースのブリック&ウッドクラブ(千葉県)はレッスン業で、遠征費を捻出するが、「いっぱい、いっぱい」。毎年末に「もうやめようか・・・」と迷いながらも1年、また1年と過ぎていく。
2009年のツアーデビューで打ちのめされた。「まず飛距離と、セッティング。まったく対応出来ずに、このままじゃ通用しないと思った」。一からレッスンコーチについて、「アドレスから何から」。勉強しなおすと決めても、何度もくじけそうになった。
「良くなっている」と、確かにその効果が出ていると実感出来るようになったのは、ようやくここ最近だ。主戦場のチャレンジトーナメントで徐々に頭角を現し、先月は「HEIWA・PGM Challenge II〜 Road to CHAMPIONSHIP」で、念願の“初優勝”を飾って、やにわに自信もついてきた。

日大出身。関東学生など、優勝経験もあるが、ひとつ下の松村道央には「抜かれちゃった、というか・・・。昔から彼のほうが、僕より先を行ってる」。すでにツアー3勝の後輩にも変な対抗心はなく、「いつか追いつきたい」と謙虚に、簗瀬とは、1打差の10位タイにつけた松村と「一緒に、回りたい」と、後輩との直接対決を熱望していた。

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