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東建ホームメイトカップ 2013

重永亜斗夢(しげながあとむ)は踏みとどまった

アトムのお父さんも、この強い風の中では、気が気ではなかったのだと思う。スタートの1番で幸先よくバーディも、2番ではロストボール。打ち直しに戻るハプニングもどうにかボギーでしのいだのもつかの間、7番では池ポチャ。「もうだめだ」と絶望的になる息子を、支えてくれた恩人こそ、バッグを担ぐ雅己さんだ。

8番ではダブルボギーと、再三のアクシデントも固唾を吞んで見守ってきたからこそ、なおさらこの日4つのバーディ獲りには父親として、力が入らないわけがない。

真剣にグリーンのラインを読んだり、力を注いでくれた父。
「ほんとうに一生懸命にやってくれたから・・・」。その気持ちは分かるのだが、息子がギャラリーから歓声を浴びるたびに、なぜか自分が手を上げて、応えている。

「いや、打っているのは俺だから」。
おかしいでしょう、とついハーフターンで関係者に愚痴っていたら、通りすがりにこづかれた。
「親をバカにするもんじゃない」。
「いや、バカにするつもりはないけれど・・・」。あなたがギャラリーに挨拶をするのは、それは「ちゃうやろう」との反論はかろうじて飲み込んだ。

最後の18番は、絶好のバーディチャンスを外した横でも、本人以上に大きなリアクションで悔しがっていた雅己さん。
本当に、良いお父さんです。
息子さんは、「俺のレベルで、予選を通過しただけでも上出来」と自身2度目の予選通過にもまったく欲がないですが、首位と2打差で迎える決勝ラウンド。今年1月に生まれたばかりの長女・亜子ちゃんのためにも「おむつ代くらいは稼ぎたい」と張り切っている息子さんとご一緒に、思い存分暴れてください!

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