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キヤノンオープン 2012

丸山茂樹は3日目の69に「上出来」

この日は、スタートの1番で、小躍りした。ドライバーのティショットは「とりあえず、まっすぐに行ってくれて。ほっとした」と、子供のように無邪気にティグラウンドでガッツポーズも飛び出した。

ドライバーのイップスにかかってもう5年以上が過ぎて、苦しい胸の内も、いつものマルちゃんスマイルで包み隠して、ギャラリーの笑顔を誘った。

大親友の深堀圭一郎が前夜にくれたメール。
「ティショットを打つときに、ノイズが走る」という丸山に「打つときに、わーとかうーとか騒いで、自分でノイズを作っちゃえば」とのアドバイスも取り入れて、うまくいった。

池田勇太とのラウンドは、「ラウンドリポーターの気分で」と言っていたとおりに、同組の選手の分析も怠らず、もうひとりはいま絶好調の上平栄道についても「勇太も上平くんも。非常に良い球を打つ。最近の活躍にも納得出来る。いいゴルフをしているし、飛距離もそこそこ出るし、フレッド・ファンクのような雰囲気もある。もっと自分のスタイルを作り上げていけば、十分勝てる」と、後進にも太鼓判を押した。

3人で楽しい会話をかわしながら、しいて笑顔を作って雰囲気作りも怠らず、自身も渾身のプレーで魅せた。
懸念のドライバーも、「12番で、左の鉄塔が気になったら素直に左の鉄塔に飛んで行った」と左に曲げて、「ドライバーを持つとやっぱりこうだよ!」と、思わず悲鳴もこぼれたが、「今日は苦しい朝を迎えたが、昨日より少し良かった」と、明るい兆しも。

天才的なアイアンの切れと、絶妙なアプローチの技は健在で、再三のピンチも見事なまでのリカバリーで大ギャラリーを魅了した。最後は3メートルのバーディ締めにも「18番は大ボーナス。明日につながる“なんちゃら”で、あれは嬉しかった」と3日目の大健闘を糧に、「現状が変わるわけではないですが。明日も開き直っていいプレーがしたい」と、43歳が復活の糸口を懸命に模索して歩く。


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