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〜全英への道〜ミズノオープン 2012

佐藤信人が「ミズノの“おじさん”たちも頑張ります!」

「ミズノのおじさんたちも頑張ります」と佐藤
“看板”を背負う選手にとっては、何よりも重いタイトル。昨年は、この大会で2日目に単独首位に立ちながら、結局10位に終わった小林正則も、言っている。「ミズノオープンは僕にとってのメジャー戦です」。主催のミズノの契約プロにとって今大会は、日本オープンなどのいわゆる“公式戦”に匹敵するといってもいい。

それだけに、「散々長いことお世話になっているので、成績を持って恩返しをしたい。その気持ちはいっぱいあるのに、実現出来ないままでいるのが、非常に心苦しい」と、吐露したのは佐藤信人。

2009年のシード落ちから2年目の昨季、10月の日本オープンで3位に入り、このたった1試合だけで、復帰を果たしたが、「しばらく出ていない間に、ツアーのレベルは確実に上がっていて、相当に良いゴルフをしないと予選も通れない」と、今季は7戦が終わったというのに、予選通過はまだ1試合だけと、苦戦が続いている。

「ひとつきっかけがあれば、きっと上に行ける。ここが我慢のしどころ」と、このホスト試合でこそ歯を食いしばる。

「僕も何かひとつ、きっかけをつかみたい」と、口を揃えたのはやはり、今大会主催のミズノ所属の手嶋多一だ。
つるやオープンや日本プロで、どこか1日は上位に顔を見せるのだけれど、あとが続かない。「予選を通るので必死で」。そんな心労がたたったか?! 近頃、やけに痩せてきて「ズボンがだぼだぼ。病気かな」と、冗談まじりに首をかしげる。

そんな手嶋にはもうひとつ、心苦しい案件がある。
この「〜全英への道〜ミズノオープン」はタイトルにもあるとおり、全英オープンの国内予選もかねており、“ホストプロ”としては、毎年誰か一人でも今大会を通じて、リンクスコースへと馳せ参じたいところだが、「実は2003年以来、ミズノ勢からは誰も“聖地”に行けてない」。

義理人情に厚い手嶋としては、「ぜひ自分が」と言うよりもまずは、「誰でもいいから、誰か一人でも」との切迫した思いがある。「やっぱり僕らミズノの選手が一人でも多く行っとかないと」と、気が急く。

それは佐藤も同じ気持ちで、「ミズノの選手が複数人でイギリスに行くのが理想」と、直近のミズノ勢の全英オープン挑戦は、その佐藤の2003年以来と、しばらく実現させていないからこそ、なおさら思いは募る。

今大会に出場する“ホストプロ”は11人いるが、その平均年齢はけっこう高くて39歳。
古参の選手が多く「みんな、おじさんになってしまったので・・・」と苦笑するのは、本人も42歳の佐藤だ。
しかし、大事なこの一戦で老け込んでいる場合ではない。
「ビッケの例もありますし」といま、もっとも強い“アラフォー”の一人である藤田寛之のあだ名をあげて、「ミズノのおじさんたちも頑張ります」と、腕をまくった。

※ミズノ契約の出場選手
鈴木享
白潟英純
川岸良兼
手嶋多一
桑原克典
佐藤信人
上田諭尉
小林正則
竹本直哉
吉田泰典
高山準平
  • 手嶋は「僕もひとつきっかけをつかみたい」とホスト試合を契機に浮上をにらむ
  • いまもっとも勢いのあるミズノ勢、小林正則はこのホスト試合で昨年のとおとうみ浜松オープンに次ぐツアー2勝目と、初の全英切符をにらむ

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