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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2012

首位に2人の韓国勢

揃って、65をマークして初日に首位発進したのは、2人の韓国選手。ベテランのS・K・ホと、まだ二十歳の黄重坤(ハンジュンゴン)。ホは、いま躍進めざましい韓国勢の中でも、日本ツアーで戦う選手の中ではI・J・ジャンに次ぐ年長の39歳。

母国の第一人者として、今週は自分のことより他の若手のことで後悔しきりだ。
というのも、米ツアーのQスクールに挑戦した金庚泰(キムキョンテ) が、最終ステージに進めずに、今週は日本ツアーに舞い戻ってきてしまった。

来季から、Qスクールのシステムが変わり、それに伴い欧州などから例年以上に挑戦者が集まり、今年はかなり狭き門となっている、というのはホも聞いていた。

それにしても、自分もかつては4回挑戦した身としては、ひとことアドバイスをしておくべきだった。
「実際僕は、アメリカに行けなかったことを今も後悔しているので。もっとゴルフ人生を賭けるつもりで挑戦していれば良かったのに、と。ダメなら日本ツアーがある、という気持ちが自分の甘えになった。それを若手にももっと、伝えておくべきだった」。

金の場合は、日本で賞金王に輝いた一昨年に、今よりもっと最短ルートで挑戦出来る方法があった。
「でも、彼は賞金王も獲りたかったので、挑戦を取りやめたようです。もちろんそれはそれでひとつの選択ではあるのだけれど。もしもキョンテがあのとき行っていたら、と思うと僕も残念」と、後輩の“帰国”を自分のことのように悔しがる。

ホールアウト後はそんな思いを熱く語るのに、もっぱら時間を割いて、自分のことはほとんどそっちのけだったが初日の好スタートは、「とにかくパットが良かった」。

特に後半の3連続バーディが顕著で13番で8メートルをねじ込むと、「14番ではあり得ないのが入った」。
ピンまで20メートルもあった右のカラーから、6メートルは曲がるという強烈なフックラインは「もう1回、打てと言われたって絶対に入らない」。
これがカップに沈むと本人も目をまん丸くしたまま、次の15番でも5メートルのチャンスを沈めた。

もっとも先週までは、思うようなパットが出来なかったそうだが「打ち方は、何も変えていない」。
今までのスタイルを、変えようとしても「体が硬くて動かない。年だから」と、自嘲の笑みで「今週は、目がきついグリーンに、自分の読みを信じて打ったら今日は結果がついてきた」。

現在、賞金ランク45位も、国内のみの賞金ランキングで25位内に食い込めば、次週のゴルフ日本シリーズJTカップも出られる。もちろん、2006年大会から一度も予選落ちなしと、好相性の今大会で、4年ぶりのツアー通算9勝目なら、文句なしで来週の出場権。

しかし、ホは「いやいや、まったく考えていません」と全否定。「来週は、すでに家族との約束でいっぱいですので。今週は、3位くらいで無難に終わる」。もちろん、それが口先だけなのは間違いないが。

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