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マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント 2012

がぜん白熱!! 賞金レースの行方

先週のブリヂストンオープンで繰り広げられた熾烈な優勝争いは、今週も続いているようだった。2人の40代の戦いは、44歳の谷口徹が最終ホールでラフから入れた劇的イーグルで、終止符が打たれた。藤田寛之は今季4勝目をふさがれた。

目標の数字にも、ブレーキがかかった。
藤田が目下、一番のモチベーションに上げる世界ランキング。大会こそ2位に甘んじたが、同ランキングは前週の66位から、今週は55位と一気にジャンプアップした。
今季2勝目のダイヤモンドカップでも、3勝目のANAオープンでも思ったより、順位を上げられずに不満が残ったものだが「今回は2位でこんなに上がるんだ、と。ボーナスみたい」。
喜んだのもつかの間、それならば、だ。もしも谷口に今季4勝目を邪魔されていなければ、どうなったのか。

もしかしたら目標の50位以内も夢ではなかったと思うと、つい冗談交じりにこぼれる。「谷口さんさえいなければ・・・」。
そんな藤田の愚痴を伝え聞いた谷口が気色ばむ。
「いや、今まで散々邪魔をしてきたのはそっちでしょう。自分こそ、ずいぶんひどいことをしておいて」と、昨年と一昨年のツアー最終戦で再三の一騎打ちにも敗れた記憶などを引き合いに出して「彼は、自分が勝ったことは忘れてしまうのか」と抗議の声をあげた。

ツアーは終盤を迎えても、まだまだ元気な40代2人。
賞金ランキングも藤田が1位。谷口は「先週は藤田くんを気合いと根性でやっつけた」と、約2700万円差に迫る2位に浮上と目下賞金レースも、この2人を軸に繰り広げられそうな様相に。

「そこは僕のモチベーションではない」と言い続けてきた藤田も、この構図にはそろそろその気になってきた。
「賞金王の肩書きは、セールストークには役に立つ。そう思えば獲ったほうがいいかも、と最近ではそう思うようになってきた」と、多少の心変わりも。

谷口は「まだまだ、あと5試合もある。今週がすべてではない」と平静さを保ちつつ、奈良県出身のベテランは「今週は地元関西で勝てれば最高ですね」。
実現すれば自身3度目となる2週連続Vに虎視眈々と照準を合わせた。


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