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ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2012

久保谷健一は「タイトルの重圧が凄くて」

袖ヶ浦で愛娘の作品を披露する久保谷。家族の応援と支えと愛があったからこそつかんだ先週の日本一のタイトルだった
今週になって、思わぬ事実が発覚した。先週の日本オープンを制した久保谷は、8月に肋軟骨を骨折していた。勝った翌週にそれが分かった。長女の真帆ちゃんが作った絵本に描かれていた。

昨年も、絵画教室の夏の課題で作成した。白いイルカが父の復活優勝を叶えてくれる心温まるストーリーは、昨年はまさにキヤノンオープンでの9年ぶりのツアー通算5勝目と重なり、感動を呼んだものだ。

今年もその第二弾。真帆ちゃんが次なる勝利の“使者”として描いたのは白いヘビ。
絵本のタイトルも「じんじゃ(神社)でみつけたキラキラヘビ」。
物語の冒頭で語られる。「父はトレーニングでケガをしてしまいました」とは、その部分に限っては、まさにノンフィクション。

心配した家族はみんなで神社にお参りに出かけ、そこで真帆ちゃんだけが見える白いヘビが登場する。
「父のケガが早くなおり、ゴルフのしあいで優勝できますように」との、真帆ちゃんのけなげな祈りが聞き入れられる。

「ケガは2週間ほどで、治ったんです」と久保谷。そこもまるで絵本のとおりで、ただひとつ、真帆ちゃんが一点だけ「失敗した」と悔しがったのは、ほとんどクライマックスの「さいしゅうホールで父はイーグルをとり、優勝しました」。

久保谷はおかしそうに笑って、「真帆は『さいしゅうホール』と描かなければ良かった、と」。
そう、確かに最終日に父がイーグルを奪ったのは最終ホールではなくて、10番だった。
そこは多少、事実とは違ってしまったが、先週は連覇がかかったキヤノンオープンに合わせて完成した絵本は1週遅れではあったが、1年ぶりの快挙につながったことには、2年連続で不思議な家族の縁を感じずにはいられない。

先週は6打差の大逆転に、本人には降って沸いたようなツアー通算6勝目に、勝った直後は「家に帰っても、プレーのビデオを見ても、実感が湧かない」とぼやいていたものだが、翌日の月曜日には、さばききれないほど大量のお花とお祝いのメッセージに、やっと「勝ったんだ」と思えた。

しかし「喜びもつかの間。今度は重圧が凄くて」。

自身初のタイトルを自覚するにつけても「これからのことを考えると・・・」と、この先、一気に集まるであろう注目を考えるともともと根っからネガティブな性格なだけに、少々気が重い。

だから今週は、2週連続優勝を狙うなんてもってのほかだ。
「僕はどのコースに行ってもビッグスコアは出ないから」と、今週は先週とは一転、ハイスコアが予想される戦いに、「でも先週の優勝でシードも決まってちょっと余裕が出来たので。今までは怖くて試合では試せなかったショットにも、挑戦してみようかな。パットも少し替えてやってみようかな」とコースが変わっても、相変わらずコツコツと自分との戦いを続けていくつもりだ。

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