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コカ・コーラ東海クラシック 2012

川村昌弘が初の首位に

三好が時間を追うごとに、牙を剥いていく。例年以上に成長したラフは、もうすぐ10月の声を聞くというのにこの日も真夏のような暑さに、青々とした葉をますます勢いよく青空に向ける。グリーンは日に日に硬くなる。加えて2日目は上空を風が舞った。

18ホールをついて歩く父親の昌之さん。いっそう難易度を増したコースに、前半のアウトコースは「全然、フェアウェイに行かないんです」と、ロープの外で息子の代わりに悲鳴を上げた。

コースと格闘する本人も、「前半は全然、グリーンもとらえられず、ピンチばっかり」。
7番ではラフからラフを渡り歩いて、ボギーを打った。
この日も、得意とする低いボールで難コースに対抗したが、「9番ではティグラウンドをこすった。やり過ぎ感があった」と、キャリーですぐそこの150ヤード地点にバウンドしたボールは、猛スピードで左のラフに潜り込み、思わず苦笑いもこぼれ出た。

「でもどうにか2ボギーで折り返すことが出来た」と、いつもおっとりとした19歳も、後半から別人のようになった。

5歳でゴルフを始めたころから「球を曲げたり、低い球を打ったりするのが好きだった」。
それを応用して今週はとりわけ難条件に、安全策で番手を変えるというよりは、「ティショットでメリハリをつけて打つ」。
立ちにくい苦手なホールでは、「確実に置きに行く」と、最初から飛距離を捨てる。
しかしひとたび好機とみるや、果敢に勝負に出る。

12番と15番のパー5でも、「思い切り振り切ったらうまくいった」と、ティショットは見事にフェアウェイをとらえた。特に15番では転がった分も合わせて320ヤードも記録して、「2オン出来る距離まで行ったのはある意味、スーパーショット」と、いずれも残り220ヤードからグリーンに乗せて、2パットのバーディを奪った。

13番パー3では、4番アイアンで5メートルのチャンスを決めた。
14番は「ただ乗っただけ」と、18メートルもの長い長いバーディトライは、傾き賭けた太陽が、グリーンに濃い影を作って「ラインも正直分からなかったのが入ってくれた」と、思いがけずカップに沈んで、「このコースは4連続バーディが取れるようなコースじゃないので。そこはラッキーだったかな」と、嬉しそうに微笑んだ。

昨年は日本アマで挑戦したここ三好。手も足も出ずに予選ラウンドで敗退をした舞台で「アプローチ、パターがあのころより成長した部分。毎週、毎日、試合に出て、良い環境の中で練習できる。おかげで今はグリーンに乗らなくてもパーを取れるところに打てると思うし、1ピンのパーパットが残っても、追い詰められずにいられる」と、本人も成長を感じている。

自身初の首位獲りにも成功したが、らしからぬ19歳は淡々としていた。
「嬉しい・・・んですかね。別になんとも思わない。このまま一番上で、止まっていられるわけじゃないので」と、落ち着き払って「まだ折り返し地点。これからもピンチは来る。まだまだ、これから」。
勝てば1973年以降(※)なら4人目となる10代チャンピオンの誕生も、本当のドラマはこれからだ。

※ツアー制度施行後

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