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ダイヤモンドカップゴルフ 2012

金庚泰(キムキョンテ)が「僕は関西弁は、分からないけど」

前半の14番から圧巻の5連続バーディを奪った。本命が久しぶりに、上位に顔を見せた。多少の不調も、アイアンのキレと、絶妙のアプローチでしのげてしまうから、さほど目立たなかったが、昨年の終盤あたりから、ちょっとしたスランプに陥っていたという。

一昨年は日本ツアーの賞金王に輝いて、一気に増えた米ツアー出場のチャンス。
トップレベルの選手に混じって戦ううちに、抜群の安定感が売りの選手も、「もっと飛ばしたい」と欲張った。

「それで確かに15ヤードくらいは飛ぶようになりましたけど。その分すごく曲がって。ここ4年くらいで最悪の状態」。さすがの“鬼”も、スコアメイクに苦しんだという。

「スイングを変えようとしたのがダメだったみたい」と、年が明けて1月、2月も米ツアーでふるわなかったが、近頃は「やっぱりスイングはリズムが大事」と基本に立ち返ることで、再び徐々に上向いてきた。

揃って2位タイにつけた藤田同様に、今週のコースは彼向きだ。
「広くて、遮るものが何もなくて、というのは苦手だけれど。今週のように木がいっぱいあって、ここに打たなくちゃ、というようなコースが好き」と本人も言うとおりに、初優勝は2010年のこの大会。

難易度の高いセッティングもひとつの特徴であるこのダイヤモンドカップは舞台は変われど、金には毎年、相性の良いトーナメントであることに変わりはない。

初日は韓国系アメリカ人のJ・チョイとのラウンドには、先週の勢いそのままのチョイのゴルフと、りゅうちょうな日本語にも感心した。
金の日本語もかなりのものとは思うが、さすがのチョイにはかなわない。
しかも、初来日から滋賀県のタラオカントリークラブに所属するチョイは、関西弁さえ器用に操る。
「僕は関西弁は、分からないので」と、静かに微笑んだ金。
キャラも、プレースタイルも真逆の金が、先週の覇者に負けじと好スタートを切った。


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