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中日クラウンズ 2011

河野晃一郎が自己ベストの3位タイに

最終18番で、右手前のガードバンカーから打った第3打が、あわやチップイン。入っていれば、プレーオフに進めたはずだった。今季初シードの河野にとって、歴史と伝統のこの中日クラウンズは初出場だった。

難攻不落といわれる和合で最終日に66。まして3位タイは、ツアーでの自己ベスト。「悔しい反面、満足感が半分以上あります。なんといっても日本最高峰での1打差ですから」。そんなふうに、その心境を表現した。

初めての和合は3月末。メンバーの方にお願いして、ラウンドさせてもらった。予習の成果は確かにあった。いざ本番は初日に67をマークして、3位タイは上々の滑り出し。

「雰囲気や風をあらかじめ勉強しておいたので。イメージは出来ていた」と初舞台にも、戸惑いはなかった。

特に最終日は賞金王とのラウンドにも引っ張られた。ときおり横なぐりの雨が降りしきるコンディションにも、不動のゴルフを貫く片山晋呉のゴルフに圧倒された。
「片山さんの落ち着いたプレーを見られたことも、こういう結果になったと思う」と、感謝した。

今年は開幕から調子は悪くない。にもかかわらず、予選落ちを喫した先週のつるやオープン。「驕りがあったと思う」。
初シードの仲間入りを果たし、また昨年は部門別ランキングのサンドーセーブ率で、ランク1位に輝きオフは雑誌などの取材が増えた。
自分を見る周囲の目が変わったことを自覚するにつけて、「前よりちょっとは注目されて、忙しくなって、すっかり一人前の気分になっていた」。

しかし和合と格闘するうちに、頭は自然と垂れていた。「僕なんか、学生のころからそんなに良い成績を出してきていないから。ここでプレー出来るということだけで、十分過ぎるくらいです」。
もともと腰の低い選手だが、「謙虚な心が好スコアの何よりの要因」との思いを改めて、胸に刻んだ4日間だった。

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