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アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン 2011

松村道央は「ここまで来たら、優勝したい」

15番で、7メートルを沈めて普段クールな男から、ガッツポーズが飛び出した。523ヤードの16番パー5では、深いラフから林越えの224ヤードを6番アイアンで2オン。楽々の連続バーディに、確信が強まった。

「調子は上向いている。ここまで来たら優勝したい」。
首位と1打差の2位タイに、逆転Vを射程に入れた。

きっかけをつかんだのは先週の日曜日だ。
ANAオープンは、北海道からいったん帰った自宅で、暇つぶしにたまたま見たDVDは、今年のマスターズの最終ラウンド。
「世界のトップ選手はどんなふうに打っているのか参考にしてみようと思った」。
その甲斐はあった。

チャンピオンのシャール・シュワーツェルや、ウッズのスイングを見ているうちに、「真似るところがあった」という。
「100%のうち、70〜80%振る感じ」。
その分、飛距離は「15ヤードくらいは落ちる」といいながら、今週は琵琶湖カントリー倶楽部の4番、5番で計測中のドライビングディタンスは平均297.00ヤードを記録して、堂々のランク1位だ。特に5番では、318ヤードを飛ばして、ここでも楽々の2オン2パットのバーディを奪って「調子はバツグンに上がっている」と、得意満面で頷いた。

昨年のトータルドライビングでランク1位。今季は序盤に伸び悩んだが、飛んで曲がらないショットがよみがえると同時に、優勝争いに加わった。
昨年は、今大会のちょうど翌週のコカ・コーラ東海クラシックでツアー初優勝を挙げた。
ちょうど1年ぶりの実りの秋に、今年もやっぱり照準を合わせてきた。

師匠と慕う谷口徹は現在賞金ランキング31位、松村は30位。「そろそろ抜くぞ」と、ハッパをかけられ、弟子もようやく言い返せる状態まで来た。
「なんとか抜かれずにこのまま少しずつ良くなっていけば。師匠も喜んでくれるかな」。
ゲキに応えて、ここで一気に突き放す。

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