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〜全英への道〜ミズノオープン 2011

首位タイに2人の賞金王、韓国勢が上位を独占

いよいよ決戦のときを迎えた全英オープン日本予選最終戦。聖地を目指す日本勢の前に、2人の強豪が立ちはだかった。金庚泰(キムキョンテ)は2007年の韓国ツアーと、昨年の日本ツアーの賞金王だ。そして、裵相文(ベサンムン)は、2008年から2年連続で韓国ツアーの賞金王に輝いている。

実力も、実績も申し分ない2人が、最終日に大きな壁となる。

5年ぶりにここJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部に戻ってきた今大会。初日に、ぶっつけ本番の石川遼が好スタートを切って話題になったが、実はこの2人もこのコースは今週が、人生初ラウンドだった。

この2人もまた先週の全米オープンに揃って挑戦。しかも揃って予選通過を果たし、金は3日目まで上位争いを展開したし、裵(べ)は最終日に67の好スコアをマークしたその足で、ここ岡山県入りした。

練習ラウンドも出来ないまま本番を迎えながら、いきなりの優勝争いには2人の底力を感じないではいられない。

「サンムンは僕と同い年の友達です」とは金。「彼は昔からとても強い」と言えば、裵(べ)も「キョンテはドライバーもアイアンも、パットもすべてが上手い。すごく手強い選手です」。
1986年生まれの同級生は、お互いの強さも怖さも知り尽くしている。

「でも僕もだんだん調子が上がっているし、今年は日本で2位が2回。今度こそ優勝したい」と、裵(べ)はやる気と自信満々で、3度目の正直を目指す。

そして最終日は同じ最終組で、この2人に割って入った石川遼も、もちろん2人とっては手強い存在。
「彼は日本のスーパースターですから」とは裵(べ)。
金は「石川選手は全米オープンから帰って調子がいい」と、日本のライバルの状態もぬかりなく把握している。

石川は渡米前に、日本ツアーで2試合連続の予選落ちを喫した。そんな状態でメジャーに行けば「どんな選手でも自信がなくなる」。
しかし石川は、そこから奮起して全米オープンで予選通過を果たし、最終日には68とスコアを伸ばして上り調子で帰ってきた。
ドン底の状態でメジャーに出ても、そこで良いプレーが出来れば自信回復の速度は倍以上だ、と金は言う。

つまり石川は、以前よりもさらに強くなって戻ってきたと、金は踏んでいる。
その石川との2打差など、「まったく関係ないですよね」と、敵は親友ただひとりだけではないということも承知の上だ。

苦手なインコースでこの日3日目も苦戦した金。大事な場面で、グリーン上が決められない。「パットの調子が良くないし、僕の今の状態は100%ではない。明日は難しい日になると思うけど、自分のプレーをすれば大丈夫」と、韓日の2人のライバルとの決戦を前に金は自分に言いきかせていた。

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